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一般財団法人 腸内フローラ移植臨床研究会
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うつ病・躁うつ病 40代女性 -腸内フローラ移植症例紹介

症例紹介 40代女性 うつ病、副腎疲労

要約

8年前より鬱症状あり、薬物療法継続するも改善に至らず。腸内フローラ移植をして精神的効果のみられた症例。

基本情報

患者様: 40代 女性
主治医: ルークス芦屋クリニック
移植担当医療機関: ルークス芦屋クリニック

初診時情報

病名: うつ病、副腎疲労
発症時: 30歳代半ば
移植目的: うつ症状(気分の落ち込み)
主訴: うつ症状
服薬中の薬: 抗うつ剤、安定剤、眠剤
既往歴: なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: マルチミネラルビタミン内服
Optimal Start, Endefen, Bifidobacterium 服用
動脈瘤(祖父)

移植情報

移植期間: 2018年3月16日〜2018年4月18日
移植回数: 6回
移植初回〜移植終了までの変化:
【1回目移植時問診】
便通はほぼ毎日あるが固めブリストルスケールType1~2


【2回目移植時問診】
1回目の移植翌日より調子が良い。朝早く起きられて何年かぶりに両親に朝ごはんを作った。山に散歩にも出かけた。見る夢まで変わってきた。術後連日排便があったが、便秘がひどかった今まででは考えられないこと。


【3回目移植時問診】
2回目の移植は1回目ほどの変化はなかったが、調子は変わらないです。顔色良好。表情も穏やか。また悪くなったらどうしよう➡︎認知行動療法施行。


【5回目移植時問診】
1回目のあとすごく良くなったと体感したが、その後大きな変化はなくて維持している感じ。まだしんどいときはある。


【6回目移植時問診】
今日は電車が混んでいて気分が悪くなった。便通は落ち着いている。便の状態は毎日やや硬め。

移植終了後の変化:
便秘と気分の落ち込みやイライラが改善された。

評価・考察

移植評価: 症状の明らかな改善
移植前後フローラバランス検査の変化: [移植前]2018年2月実施
日和見菌、善玉菌の比率は悪くありませんが、免疫力のアンバランスが目立ちます。
他力本願で、反対する姿勢を表に出せず、一人で腹を立てているような感じがするバランスです。


[移植後]2018年5月実施
乳酸菌ビフィズス菌群とバクテロイデス属のバランスは大きく変化なく、かつバランス全体に対するクロストリジウム属の比率が上昇していることから、免疫力の向上が認められます。Clostridium subcluster XIVaに加えて、Clostridium cluster IXの発現もあり、メンタル面は以前よりは安定しているはずです。(調子が悪くなりそうになっても、いくところまで落ちるのではなく、どこかでブレーキがかかっている感じ)
ただ、本来であればClostridium cluster IXはもう少し少ないことが望ましく、Clostridium cluster IVももう少し減ってバクテロイデス属の比率が増えると、性格はかなり大らかになるはずです。乳酸菌などとは違い、クロストリジウム属のコントロールは自己の生活習慣では難しいため、御本人の体調次第では、可能であれば追加移植が望ましいかと存じます。

血液検査の変化: データなし
POMS2スコア変化: 怒り-敵意(AH)、混乱-当惑(CB)、抑うつ-落込み(DD)、疲労-無気力(FI)のネガティブな気分が低下して、活気-活力(VA)のポジティブな気分が上昇しており、大幅な精神的改善を認める。

<腸内フローラバランス 移植前後比較データ>

本人の体感(アンケートより):
アンケートなし

 

有害事象の有無:
なし

 

移植総評・考察:
比較的早期に便通異常の改善とともにうつ症状の改善を認めた。
腸内フローラのバランスも良くはなっているが依然不安定さもあるため長期での経過観察が必要と考える。場合によっては追加移植も検討が必要。

関連動画

日付:2018年10月18日
第2回 一般財団腸内フローラ移植臨床研究会 総会 症例発表
発表者:ルークス芦屋クリニック 城谷昌彦先生

以上


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腸内フローラ移植臨床研究会のマスコットキャラクター。 うんち博士の助手として、研究会の広報活動を担っている。 座右の銘は「うんちは汚くないもん」。 腸内フローラ移植についてはこちら