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過敏性腸症候群(下痢型)40代男性 -腸内フローラ移植症例紹介

症例紹介 40代男性 過敏性腸症候群(下痢型)

要約

1年半前より下痢(過敏性腸症候群)が続き、ネットで便移植のことを知り、来院。9回の移植を実施してほぼ症状の改善が見られた症例。

基本情報

患者様: 40代 男性
主治医: かわい内科クリニック
移植担当医療機関: かわい内科クリニック

初診時情報

病名: 過敏性腸症候群(下痢型)
発症時: 42歳頃
移植目的: 過敏性腸症候群の治療
主訴: 慢性下痢
服薬中の薬: ・イリボー
・メペンゾタート
・ロフラゼフ
・デパス
・ハンゲシャシントウ(漢方)
既往歴: 網膜剝離
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: 母(膀胱がん、高血圧、糖尿病、心臓病)、サプリメント多数

移植情報

移植期間: 2018年5月29日〜2018年10月16日
移植回数: 9回
移植初回〜移植終了までの変化:
【1回目移植時問診】
1年前から過敏性腸症候群。2月頃まで2年間炭水化物抜いていたが下痢は良くならなかった。毎日筋トレしている。


【2回目移植時問診】
移植翌日はバナナ便がでた。プロテインを朝に飲むと下痢する。


【3回目移植時問診】
軟便が続いている。 バナナ便無し。プロテインはやめている。


【4回目移植時問診】
いい便が出る日もある。朝はコールドプレスジュース飲んでいる。1日便秘の日があり、硬便が出た。以前から下痢をするので乳製品は一切摂らない。卵は1日1コは大丈夫だが、2コにすると下痢する。夜にパスタ食べる。


【5回目移植時問診】
調子が良いようで、ほとんどバナナ便が出ている。飛行機にのるなど閉鎖空間に入るときはいままでデパスが必要だったが、なしで飛行機乗れた。朝は玄米食に変更し、パスタはやめた。


【6回目移植時問診】
5回目以降凄く良くなった。最近はバナナ便。お酒飲むと下痢する。朝は玄米。パスタやめた。精神的に安定した。乗り物乗る前にデパス要らなくなった。

6回目終了後:6回移植終わってからも調子は維持している 劇的に効いた。今はデパスいらなくなった。 小麦、乳製品は抜いている。朝は野菜ジュースとサプリ・ラクティス飲んでいる。


【7回目移植時問診】
バナナ便が続いている。調子はいいが食事の回数だけほぼ排便がある。1日1回にしたい。小麦を控えている。


【8回目移植時問診】
前回移植後、調子よい。今朝は普通便。


【9回目移植時問診】
下痢は無く、バナナ状便が朝に1回の排便となった。卵、小麦はほとんど摂っていないが、納豆、キムチ毎日食べ、肉類も多く摂取、米も食べる。

移植終了後の変化:
症状はほぼ改善を認めた。

評価・考察

移植評価: 症状の中程度の改善
移植前後フローラバランス検査の変化: [移植前]2018年5月実施菌叢に多様性が乏しいのは気の向くままに好きなものを食べ、好きなことをし、自分本位に生きてきた結果、このようなバランスになったことが伺えるフローラバランスです。

移植による部分的な改善は望めますが、永続的な安心感を得るにはメンタル面の強化が優先かもしれません。


[移植後]2018年8月実施

クロストリジウム属の多様化、メンタル面を司るクロストリジウム属のバランス改善、乳酸菌群の増加など、全体のバランスが顕著に改善しています。強いて言えばビフィズス菌の割合がもう少し増えてくれると、バクテロイデス属が有機酸の産生など本来の働きをしてくれるようになり、心身ともに症状がさらに改善するものと期待します。

血液検査の変化: データなし
POMS2スコア変化: データなし

<腸内フローラバランス 移植前後比較データ>

本人の体感(アンケートより):
2018年8月取得
移植前はカテーテル挿入などの痛み等の不安がありました。その不安感あるいは移植時の不快感が回数を重ねるごとに慣れてきて、移植終了時症状はほぼ改善されました。

 

有害事象の有無:
なし

 

移植総評・考察:
下痢症状は移植6回でほぼ消失し、もともとあった乗り物に乗るときの不安感などの精神症状も消失した。さらに3回移植追加し、1日1回普通便となり、すばらしい改善を示した症例。

関連動画

日付:2018年10月18日
第2回 一般財団腸内フローラ移植臨床研究会 総会 症例発表 ※症例2
発表者:かわい内科クリニック 川井勇一先生


以上


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腸内フローラ移植臨床研究会のマスコットキャラクター。 うんち博士の助手として、研究会の広報活動を担っている。 座右の銘は「うんちは汚くないもん」。 腸内フローラ移植についてはこちら