腸内フローラ移植(便移植)を受けられる、国内唯一の学術的研究会です。臨床医と臨床検査技師が届ける世界最高水準の安全と効果を目指して。
一般財団法人 腸内フローラ移植臨床研究会
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便移植を安全な治療にするために【総会直前チラ見せVol.2】

第3回総会では「一体何が発表されるのか!?」をちょっとだけチラ見せする企画。
昨日の記事(我々は便移植のパイオニアです。【総会直前チラ見せVol.1】)はお楽しみいただけましたか?

2日目の今日は、シンバイオシス研究所の岡 洋一郎 総括研究員から。
あれ、統括研究員やったかな、どっちやったっけな。

岡 統括研究員!
今日はよろしくお願いします!!!

総括研究員なんやけどな…

今年の4月にシンバイオシス研究所の仲間に加わってくださって、いかがでしょう?
個人的には、今までふわっ…としか理解していなかった細菌のことを、むちゃくちゃ専門的に解説してくださるので、頭パンクしそうです。

※岡さんは元国家公務員の臨床検査技師で、その職を投げうってシンバイオシスに来てくださいました。

新しい治療法が世に広まるには、斬新な発想による仮説と検証という側面と、ひとつひとつリスクを潰し安全性を担保していくという作業があると思います。
僕が入ることにより、後者の側面が強くなったかなという実感はあります。

うん、岡さん細か…いや慎重で的確ですもんね。私や師匠にはない得難き存在。

総会では何を話してくださるんでしょうか?

動物実験と、便バンクのことについて話そうと思っています。

それでは岡研究員の抄録を紹介します。

1型糖尿病マウスにおける、FMTの治療効果の比較検証

遺伝子レベルの解析技術の発展により腸内細菌叢と疾患の関連性の解明がすすめられ、今や腸管感染症のみならず、腸内フローラの乱れや、多様性の減少(dysbiosis)により肥満症、アレルギー、喘息、自閉症などとの関係性が指摘されるようになってきている。
よって失われた腸内フローラの均衡、多様性の改善により種々の疾患が快方に向かうのではないかということでその治療法のひとつに健康なヒトの糞便を移植するという、Fecal Microbiota Transplantation: FMT(糞便細菌叢移植)が注目されている。
糖尿病は血糖下降ホルモンであるインスリンがその分泌量不足、あるいは質的作用に問題があるため血糖値が高い状態に保たれる疾患である。血糖値を健常域に維持させるには外部からインスリンの補充を1日に数回行う場合があり、糖尿病を患っている方には非常なストレスの一因になっている。一方、血糖値が長期間高いまま推移し続けることは活性酸素種の発生に繋がり、それが動脈硬化、あるいは神経、目、腎臓などに合併症として現れ、また病状が進行して重症な場合は週数回の人工透析の必要性が生じる。
我々は時にこの辛い経過をたどる糖尿病に一矢報いるべく、血糖値改善効果を目的に1型糖尿病を動物実験(マウス)で再現、そのFMTによる治療効果について検証を行い、若干の知見を得たので報告する。

「若干の知見を得た」とかわたしには絶対思いつかん言い回し。

Japanbiome®-糞便バンク

2019年(令和元年)7月、日本初の民間型糞便バンクが誕生した。糞便バンクとはいわゆる、献血や輸血などで知られた血液センターの糞便版である。
輸血は移植医療のひとつである。他に移植医療といえば臓器、組織、骨髄、細胞(iPS細胞など)があり、移植行為においては各移植材料のドナー(提供者)とレシピエント(受容者)が存在する。
医療が提供される点で大事なことはその処置の前後で生活の質(QOL)が向上したかどうかにある。ただ生活の質というのは何もその活動の範囲や状況だけを示すものではない。それは医療処置によって本来貰わなくても良いものを受け取らされたいうことも含まれる。例えば感染症を起こす病原体である。移植行為においてドナーから提供された材料でレシピエントの病源元が改善しても、仮にドナーが感染症を患っていて材料中に病原体が混ざり、レシピエントにドナーの病原体が入ることで、ドナー同様の感染症にレシピエントが苦しむようなことになれば本末転倒である。
糞便は排泄物であるということはヒトにとって不用品であり、感染性は高い。Japanbiome®ではドナーから提供される、この感染性の高い糞便の安全性をどのように担保してレシピエントに供給しているかの取組みについて、概要を今回紹介する。

Japanbiome®について一般的な内容は、すでにサイトで公開しています。
総会当日は、リスクヘッジの観点から安全性への取組みについてより詳しくお伝えします!
Japanbiome®(ジャパンバイオーム)について

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微生物は最強の生命体である。 何十億年、何百億年も前から地球に暮らしている小さな生き物たちは、とてつもないスピードの進化能力を維持しながら、今もほとんどあらゆる生命体の健康に寄与し、時に命を奪います。 我々はあらゆる意味でひとりではない。そんなことを思い出させてくれる菌たちを慈しむ暮らしを目指します。 シンバイオシス研究所サイト

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