腸内フローラ移植(便移植)を受けられる、国内唯一の学術的研究会です。臨床医と臨床検査技師が届ける世界最高水準の安全と効果を目指して。
一般財団法人 腸内フローラ移植臨床研究会

統合失調症 40代男性 -腸内フローラ移植症例紹介

症例紹介 40代男性 統合失調症

要約

中学、高校時代のいじめがきっかけで、20歳ごろから統合失調症の診断で、精神科に通院している。
幻覚(幻聴)、被害妄想、睡眠障害などがあり、精神科の薬を服用している。
移植後(6回コース)、一時重苦しい感じやいらいら感、倦怠感が強くなり、4回目以降は移植菌液を変更した。ことにより改善した。
現在のところ、6回移植後の精神状態は変わっていないものと診断する。

基本情報

患者様: 50代 男性
主治医: 医療法人仁善会 田中クリニック
移植担当医療機関: 医療法人仁善会 田中クリニック

初診時情報

病名: 統合失調症
発症時: 20歳ごろ
移植目的: うつ症状(気分の落ち込み)
イライラ、癇癪
便秘
アレルギー(食品、花粉、化学物質など)
主訴: 幻聴、被害妄想
服薬中の薬: セディール、ワイパックス、バレリン、リボトリール、インヴェガ、フェノフィブラート、ネキシウム、エパデールを服用中
既往歴: アレルギー、小児喘息
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: 家族とは別に暮らしている。作業所に通っている。フットサルを週1回している。ごはん、味噌汁、発酵食品、野菜などを実家に帰ってきたときは食べさせている(母親から)。
便通は毎日。タバコ15本/日。夜間にカップヌードルなどのジャンクフードを時に食べる。

移植情報

移植期間: 2019年8月28日〜2019年10月8日
移植回数: 6回
移植初回〜移植終了までの変化:
3回目終了時点で症状が悪化したために(倦怠感、いらいら感、重苦しい感じ)、移植菌液を変更。
その後、落ち着いた状態になったが、なかなか回復しなかった。
【1回目移植時問診】
便秘があり、酸化Mg(330)3T分3毎食後服用して少し便が軟らかくなった。イライラしたので前日リボトリールを服用して、今朝の起床時がつらかった。
<医師より>⇒酸化Mgは過剰にならないようにすること。
【2回目移植時問診】
気分の波があるのは同じ。過去を引きずる心の傾向がある。本日は下痢になっている。
<医師より>⇒過去をシャットアウトする心の訓練をしていくこと。FMT前の血液検査は問題なし。
【3回目移植時問診】
息苦しい感じが強くなっている。イライラする。夜間不眠傾向。便通は良くなっている。
【4回目移植時問診】
便の状態はFMT施行前と比べて良くなり、アトピーや喘息も良くなっているが、イライラが強くなり、重ぐるしい感じが強くなり、FMTを中止したいとのこと。菌液を変更したので、話し合いの末、そのまま継続することとした。
【5回目移植時問診】
前回(2週間前のFMT)の翌日までは調子がよかったが、その後イライラ感が強くなり、倦怠感が今までとは違うくらいひどくなった。運動後も今までとは違うしんどさになっている。便秘は以前と比べて改善している。
【6回目移植時問診】
前回移植後は以前と比べて気分状態はよくなっている。ただし気分が落ち込んだ時の翌日にホメオパシーのレメディーを服用して落ち着いた状態になり、その後気分は落ち着いている。ときどき夜食を食べて翌日がしんどくなる。便通は良い。
【6回目移植終了後】
被害妄想などの症状は変わらないが、最初の頃よりマシになっている。睡眠障害があり、朝遅くまで起きられない。
移植終了後の変化:
現在フォロー中

評価・考察

移植評価: 変化なし
移植前後フローラバランス検査の変化: 2回目は1回目回と比べて腸内フローラバランスは大きく変化している。
3回目は、腸内フローラの多様性が改善し、症状もそれにつれて改善しつつある。
血液検査の変化: 特になし
POMS2スコア変化: 1回目よりやや悪化

<腸内フローラバランス 1回目データ>

<腸内フローラバランス 移植前データ>

<腸内フローラバランス 移植後データ>

本人の体感(アンケートより):
被害妄想の症状は変わらないが、最初の頃よりマシになっているかもしれない。睡眠障害はある(朝がなかなか起きられない)。
有害事象の有無:
なし
移植総評・考察:
移植の効果は見られていない。一時悪化することがあったが、移植菌液を変えることにより症状は改善した。しかし、移植前と比べて効果があったとは言えない。

以上


症例紹介のトップに戻る