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一般財団法人 腸内フローラ移植臨床研究会

過敏性腸症候群 30代男性-腸内フローラ症例紹介

 

要約

おなかのガスのたまりが子供の時からあり、食事や漢方やサプリメントなどいろいろ試したがよくならなかった。
フローラ移植に期待して6回移植したが、6回とも何の変化もなく過ぎました。

基本情報

患者様: 30代 男性
主治医: はるなクリニック
移植担当医療機関: はるなクリニック

初診時情報

病名: 過敏性腸症候群
発症時期: 小学校4年から
移植目的: ガス
主訴:
小学校4年のころからおなかにガスがずっとたまっている感じの不快感。
食事や天気での症状の変化はなく、ずっとおなかが張っている感じ。
便通は柔らかめだけれども排便するまで時間がかかり残便感がある。
ゲップも以前はあったが消化剤でおさまっている。
服薬中の薬:  
既往歴:

なし

経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: 移植までの時間がある間に食事指導をしている。回転食で同じ食材を続けない、調味料の工夫、甘いものに変わる食べ方の工夫の指導。甘いもの渇望は血糖調節障害とカンジダが関係している可能性あり。

移植情報

移植期間: 2019年9月26日〜2020年1月11日
移植回数: 6回
移植初回〜移植終了までの変化:

6回移植をしたが、おなかの不調はかわらないまま。何の変化もない。

【1回目移植時問診】
おなかの張りは相変わらずずっと続いている。

8月末に大腸カメラをしたときに腸洗浄した時は一瞬おなかがすっきりしたがその後は以前と同じような張り感があり、便も下痢状で何回の便意があり排便している。そのために痔がひどくなり排便のために出血している状態である。

【2回目移植時問診】

菌液は数時間後に出た。痔出血はなかった。
一瞬おなかがすっきりしたが、その後は張り感は同じ

【3回目移植時問診】

便通は少しずつ軟便が出ていてすっきり感がない。痔で時々出血あり。
血液検査でHbが安定していたのでフェロミアを飲まないように指示した。
今回の3回目の移植後は腹鳴がかなり見られた。

【4回目移植時問診】

鉄剤を前回からやめてもらった
胃部の不快感は変わらずふらつきもある
下痢状態は同じ
血液検査では鉄をやめても数値は変わらず 

【5回目移植時問診】

4回移植したが、おなかの張りは変わらない。
時々、痔出血が出て貧血状態に。ふらつきは常にある。
おなかの横行結腸が張っている感じがする。
右ほほがぴくつくようになったとのこと
本人は治らないと諦め気分になっている。
診察では心窩部の張りがある、丹田は弱い。

【6回目移植時問診】
6回移植をしたが、おなかの不調はかわらないまま。何の変化もない。


移植終了後の変化:
変化なし

評価・考察

移植評価: 変化なし
移植前後フローラバランス検査の変化:
腸内フローラ全体として多様性に乏しい。ただC.クラスターの多様性はそれほどではない。C.クラスターⅣの割合が高く、Ⅺの割合が少ない。(腸?)の炎症所見がみられる。
ビフィドバクテリウム、ラクトバチルス、プレボテラの割合が低く、問診表にある食事パターンと連動している可能性はある。栄養面のバランスの工夫も必要と思われる。
血液検査の変化: なし
POMS2スコア変化: コメントなし

<腸内フローラバランス 1回目データ>

<腸内フローラバランス 2回目データ>

本人の体感(アンケートより):
なし
有害事象の有無:
なし
移植総評・考察:

移植を6回しましたが、特に変化なし。
問診表にある食事パターンと連動している可能性はある。

栄養面のバランスの工夫も必要と思われる。

以上


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