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一般財団法人 腸内フローラ移植臨床研究会

過敏性腸症候群、下痢 50代女性 -腸内フローラ移植症例紹介

症例紹介 50代女性 過敏性腸症候群、下痢

要約

30代から過敏性腸症候群の症状出現、またSIBOの診断もされている。基礎疾患として筋ジストロフィーあり。小麦は下痢が悪化するので避けている。
上記の症状で移植開始した。
移植1回目終了後から下痢、排便回数の改善を認めた。症状軽快した為、服用していた下痢止め薬を減量したが、軟便が悪化した為、それ以前の容量に戻した。その後移植の回数を重ねる毎に、軟便の時もあるが排便回数は1回/日まで改善した。腹痛なく、食欲も出て来て、便意切迫感も改善した。その他耳鳴りも軽快し、足の浮腫の改善も認めた。

基本情報

患者様: 50代女性
主治医: ルークス芦屋クリニック
医療法人桂名会木村病院
移植担当医療機関: 医療法人桂名会木村病院

初診時情報

病名: 過敏性腸症候群
発症時: 34歳頃から
移植目的:
疲れやすい、下痢症状の改善
主訴: 34歳頃から、朝仕事前に腹痛と下痢するようになった。下痢が出ると腹痛が治まったので、近医の処方薬などでしのいでいた。
46歳頃から、消化器外科に通院し、処方された薬で下痢は止まっていたが、不安な感じは強くなり精神科を紹介され、約1年間抗うつ薬を飲んだこともある。
50歳頃から、むくみが酷くなり、特に腹囲はパンパン、食後の吐き気や、めまい、膀胱炎、尿路結石など色々な症状が現れた。通院先と処方薬を変えてむくみは引いたが、薬を飲んでいても下痢はしばしばあった。
既往歴: 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーで電動車いすを使用している。
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:  

移植情報

移植期間: 2021年10月27日〜2021年11月30日
移植回数: 6回
移植初回〜移植終了までの変化:

【1回目移植時問診】
便は、朝バナナ状、その後泥状便あり。
腹部違和感は持続している。

【2回目移植時問診】
便の回数が減ってきた(2回程度)。
下剤を減量できている。

【3回目移植時問診】
食欲が出て来た。
軟便は減ってはきているが、時々ある。

【4回目移植時問診】
胃腸機能調整薬を減らしたら、軟便から下痢となる。
腹痛はない。
食欲あり。

【5回目移植時問診】
排便回数1日1回(薬の服用あり)。
軟便もなし。
腹痛なし。

【6回目移植時問診】
薬の服用は続行しているが、腹痛、軟便なし。
便意切迫感は5回終了して軽快している。
下肢筋力低下に関しては変わらず。
耳鳴りが軽快している。
左足の浮腫が軽快。
5回終了して、改善あり。

【移植後のフォロー】
腹部症状は改善しており、筋ジストロフィーの症状も進行なく経過している。

腸内フローラバランス 比較データ

本人の体感(アンケートより):
以前は食べると下痢していた食材を食べても大丈夫になった。

評価・考察

移植評価: 症状の軽度改善(便秘改善・気分の落ち込みやイライラの改善・皮膚症状の改善)
有害事象の有無: なし
移植終了後の変化:
移植の回数重ねる毎に排便回数は1回/日まで軟便の時もあるが改善した。腹痛なく、食欲も出て来て、便意切迫感も改善した。その他耳鳴りも軽快し、足の浮腫の改善も認めた。
移植総評・考察:
移植後6ヶ月のフローラ検査ではターゲットバランスからはまた離れているものの、自覚症状(腹部症状)は改善傾向あり。それまで食べられなかったものが難なく食べられるようになった。

以上


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