腸内フローラ移植・症例紹介

便秘症 40代男性ー腸内フローラ症例紹介

症例紹介 40代男性 便秘症(経過観察中)

要約

以前より、便秘症に悩んでいた。10年位前に、歯のかみ合わせの治療をして、その後少し軽快した。しばらくして、徐々に症状が増悪してきて、地震を契機に便秘症が増悪。他院での内視鏡では痙攣性便秘症と診断された。便秘増悪時は蕁麻疹様の症状や嘔気、腹部膨満も認め、ストレスが大きくなってきた。毎日アローゼン等の便秘薬が欠かせず、いつも苦しい思いをしていた。 今回移植をし、回数をおうごとに患者さんの満足度は増してきた印象。初回からできるだけ便秘薬を使用しないように工夫され、6回目の移植時には週1程度の投薬で対応できている。診察時の腹部も非常に硬かったのが、すごくやわらかくなった印象もある。できるだけ現状が維持できるように指導し、また、追加移植を検討する予定。

基本情報

患者様: 40代 男性
主治医: グレースメディカルクリニック
移植担当医療機関: グレースメディカルクリニック

初診時情報

病名: 便秘症(便秘増悪時に蕁麻疹様症状あり)
発症時期: 10年以上前
移植目的: ガス
主訴: 以前より、便秘症に悩んでいた。10年位前に、歯のかみ合わせの治療をして、その後少し軽快した。 しばらくして、徐々に症状が増悪してきて、地震を契機に、便秘症が増悪。他院での内視鏡では痙攣性便秘症と診断された。 便秘増悪時は蕁麻疹様の症状や嘔気、腹部膨満も認め、ストレスが大きくなってきた。 数年前からフローラ移植は気になっており、調べたら近くでされていたので受診した。
服薬中の薬:
アローゼン、プラセンタ、オゾン
ヘパリーゼ
既往歴: なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: 母:胃がん、脳動脈瘤

移植情報

移植期間: 2019年11月21日〜2020年1月15日
移植回数: 6回
移植初回〜移植終了までの変化:
6回移植をして、追加移植を検討中。 【1回目移植時問診】 体調で特に困ったことはない。便の状態も変わらず。 移植後は、腹鳴良好。特に自覚症状なし。 【2回目移植時問診】 あまりまだ効果は感じない。移植後、1時間半くらいして、水様便がでた。 次の日は黄色い便のタイプ6。こんないい色は久しぶり。 その次からはいつもどおりに戻ってしまった。 移植前からあった下腹の痛みは、持続してるが今は若干軽快あり。 睡眠はしっかりとれている。移植前後で変化なし。 【3回目移植時問診】 今回は、移植後の液をすごく我慢して出さなかった。便秘薬は同日は飲まないようにして、次に日は細い便がでた。 その次の日はおなかもパンパンだった。その時は皮膚状態も悪化した。薬は減らしても出るようになったが、細く黒っぽい。 身体の変化は感じている。調子はいいような、悪いような感じ。 毎日サウナがいるが、以前より汗をかきやすくなって、ポカポカしてる時間が長くなったような気がする。 眠りの質も少し良くなったように感じる。 【4回目移植時問診】 移植の次の日、その次の日は快便で(ただ、色は少し黒めで細い)、その次の日は出なかった。 アローゼン(便秘薬)を飲むのはやめ、グーフィス(便秘薬)で出来るだけ対応するようにした。 眠りも問題なし、深い眠りに入った感じがする。 残便感はあるので、皮膚状態は完ぺきではないが、以前よりはいい。 全く便が出ないこともないし、嘔気も無くなったのがいい。皮膚をぼりぼりかくこともなくなった。 確実によくなっている実感がある。 【5回目移植時問診】 3回しかグーフィスを飲まなかった。毎日出るのはいい。 張っている感じが毎日あるから肌荒れは続いている。 期待してるほどではないが、確実に良くなっている印象がある。気分も少しいい。 【6回目移植時問診】 経過はいいと思う。週1でグーフィスを使う程度になった。毎日出るが、残便感がある。 眠りも深くなった気がする。 まだ皮膚が荒れることはあるが、皮膚症状範囲は狭くなりよくなってる。
移植終了後の変化:
症状の明らかな改善

評価・考察

移植評価: 症状の明らかな改善
移植前後フローラバランス検査の変化:
腸内フローラの多様性はそう問題にならないが、バランスにもう少し調整が必要である。 6回の移植の後、プレボテラが減り、バクテロイデスが増加した。 これは、皮膚等の組織を修復するために脂肪を代謝しはじめた証拠であり、いい傾向である。
血液検査の変化: コメントなし
POMS2スコア変化: コメントなし
<腸内フローラバランス 1回目データ> <腸内フローラバランス 2回目データ>
本人の体感(アンケートより):
有害事象の有無:
なし
移植総評・考察:
患者さんもやってよかったと話されていた。最近になって、何年ぶりかに黒っぽくない、茶色い普通の便が出たと喜んでおられた。 睡眠の改善もできてきているようで、しっかり熟睡できていると最後に話してくれた。 できるだけ、今をキープし、追加移植を検討する予定である。
以上
症例紹介のトップに戻る

Articles about other 腸内フローラ移植・症例紹介

2023年09月05日 医療法人桂名会 木村病院過敏性腸症候群

過敏性腸症候群 80代男性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 80代男性 過敏性腸症候群 要約 常時、腹部にガスが溜まり一日中圧迫感と鈍痛が続く。おならとゲップが、食前・食後に関係なく頻繁に出る。便秘状態の日が多く、少量の排便が一日で5~6回続く。毎回必ず排便後に腹痛が起 […]

2023年07月26日 医療法人 はるなクリニック更年期障害自律神経失調症

自律神経失調症、更年期障害、40代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 40代女性 自律神経失調症、更年期障害 要約 膝半月板の手術をしてから、緊張感が続き気分が落ち着かなくなった。午前中は調子良いが、昼過ぎから夕方にかけて調子が悪くなる。夜は元気になる。便通は残便感がありすっきり […]

2023年07月14日 アトピー性皮膚炎医療法人 はるなクリニック適応障害

適応障害、アトピー性皮膚炎、20代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 20代女性 適応障害、アトピー性皮膚炎 要約 便秘と肥満、アトピーを改善したいとのことで移植希望。食事の甘いものがなかなかやめられなかったが、少しずつ食事の改善があり便通は良くなった。ただ、肥満に関しては体重減 […]