【糞便微生物叢移植症例紹介】潰瘍性大腸炎 50代男性
症例紹介 50代男性 潰瘍性大腸炎
要約
自覚症状(下痢、排便回数、ガスが多いなど)が指標。 移植1回目でガス貯留感が改善、便もやや硬めになった。 2回目以降も腹部及び排便症状は更に改善傾向。加えて慢性的な鼻閉感も改善したとのこと。初診時情報
病名: | 潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、肛門不全 |
発症時期: | 平成2年10月頃から |
移植目的: | 下痢、ガス |
主訴: |
腹痛など
下痢
ガスが多い |
服薬中の薬: | イリボー、メサラジン、コロネル、トランスコロン、ガスコン、トリメプチンマレイン酸 |
既往歴: |
糖尿病
高血圧 |
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: |
移植情報
移植期間: | 2020年3月5日〜2020年3月19日 |
移植回数: | 3回 |
移植初回〜移植終了までの変化: |
移植3回実施【1回目移植時問診】
ガスが一番気になる。コロコロ便や水溶便が精神的な状態に応じて起こる。
行動制限や人付き合いに影響を感じる。肛門不全がある。
【2回目移植時問診】
ガスの溜まる感じ少しはよくなった。排便もよくなったが硬め。電車は怖くてまだ乗れない。
【3回目移植時問診】
ガス溜まりよくなった。便もいい感じ。腐敗臭なくなった。
【検査説明時問診】
便はだいぶいい状態。ガスがもう少し落ち着いてくれるといいとのこと。
|
移植終了後の変化: |
自覚症状(下痢、排便回数、ガスが多いなど)が指標。移植1回目でガス貯留感が改善、便もやや硬めになった。2回目以降も腹部及び排便症状は更に改善傾向。加えて慢性的な鼻閉感も改善したとのこと。 他院で内科的な投薬療法を継続しているが、慢性的な症状は改善傾向になかったが、今回の移植により便が形付き、肛門不全のため軟便が漏れる感じはなくなった。更にガス貯留過多に伴う腹部膨満の症状も軽快傾向であったので、3回コースでも効果を認めた。更に追加移植をすると、更なる改善が望まれそうだ。 |
評価
移植評価: | 症状の明らかな改善 |


本人の体感(アンケートより): |
移植期間中、効果を少し実感した。今後効果が継続するか不安ではあるが、食生活の見直しをここころがけるようにしている。便を提供していただき大変感謝している。 |
有害事象の有無: |
なし |
移植総評・考察: |
経過観察・追加移植検討中 |
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