Academic Conference

第7回学術大会【開催報告】

2024年9月22(日)に「第8回学術大会」を開催いたしました。会場とオンラインの同時開催で行い、医療関係者や一般企業の方、研究機関の方、患者様やご家族、そして一般の方など沢山の方々にご参加いただきました。皆様のお陰で無事に開催できましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

 

基調講演を含む、全講演のアーカイブ動画のお申込みを受け付けておりますので、下記よりお申込ください。(申込期限:2024年12月27日(金)まで)

第8回学術大会抄録、特定臨床研究小冊子もこちらからご購入いただけます。
ぜひ、アーカイブ配信とセットでお申込みください。

一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会
第8回学術大会

新しい治療の鍵 〜腸内フローラ移植が導く未来〜

◾️スケジュール

10:30 開場

11:00〜 午前の部

開会の挨拶

代表理事 田中 善(医療法人仁善会田中クリニック理事長

がん治療における腸内細菌叢移植の可能性

萬 憲彰(医療法人医新会よろずクリニック院長)

  
腸内フローラ検査とがんの早期発見

清水 真(シンバイオシス株式会社上席研究員)

腸内細菌叢移植が有効であった乳がんの症例報告

田中 善 (医療法人仁善会田中クリニック理事長)

気体を”飲んで”健康をサポート

「水素NanoGAS®︎水」による酸化ストレス軽減効果と一般的な利活用

森下 理咲子(シンバイオシス株式会社研究員)

悪玉菌と呼ばれる菌たちへ

〜あなたは「犯人」なのですか?腸内生態系のふしぎ〜

山本 千尋(シンバイオシス株式会社主任研究員)

昼休憩(お弁当付き)
ランチタイムトークセッション

「作る・食べる・笑顔になる ル・クッカーの魔法の時間」

畠中 直美(一般社団法人チャレンジドLIFE代表)

杉之原 千里(みいちゃんのお菓子工房代表)

瀧 幸子 (一般社団法人こどもになる代表)

13:30〜 午後の部

基調講演

「発達障がいを見て・視て・観て・診て・そして〜」

平山哲(ひらやま さとる)先生
地方独立行政法人大阪府立病院機構
大阪母子医療センター
子どものこころの診療科 副部長

閉会の挨拶

専務理事 城谷 昌彦(ルークス芦屋クリニック 院長)

17:30〜 懇親会


◾️開会の挨拶

代表理事 田中 善 先生(医療法人仁善会田中クリニック 理事長)

はじめに、大会長である代表理事の田中善先生から挨拶がありました。当研究会が2017年に発足し、無事に8年目を迎えることができたことへの感謝と、昨年5月に開始した自閉スペクトラム症のお子さんを対象とした臨床研究が終了したことの報告がありました。また、協力していただいた皆様への感謝も述べられました。


<< Morning session >>


▼がん治療における腸内細菌叢移植の可能性

萬 憲彰 先生(医療法人医新会よろずクリニック 理事長)

がん治療において免疫力の重要性が注目されつつある中、新たな治療法として期待されている腸内細菌叢移植(FMT)という選択肢を用いて、がん治療へ貢献できる可能性を症例や「がん治療のためのピラミッド図」等を交えて発表しました。

がん治療における腸内細菌叢移植の可能性
萬 憲彰
医療法人医新会よろずクリニック 院長

がん治療において免疫力の重要性が注目されています。しかし、がんの予防、初期、進行、末期の各段階によって、適用される治療法は多岐にわたります。その中でも、腸内細菌叢移植(FMT)は新たな治療法として期待されています。本発表では、がんの各段階における(免疫)治療の選択肢とともに、特に腸内細菌叢移植がどのようにがん治療に寄与するかについて、最新の研究結果を交えた見解を述べます。腸内環境の調整が免疫力向上に与える影響と、その臨床的意義を検討します。

▼腸内フローラ検査とがんの早期発見

清水 真(シンバイオシス株式会社 上席研究員)

これまでの研究成果を基に、腸内フローラバランスの結果の可能性や限界について考察し、腸内細菌叢の解析が疾病予防や早期発見にどのように寄与するかについて、最新の研究データを交えながら発表しました。

腸内フローラ検査とがんの早期発見
清水 真
シンバイオシス株式会社 上席研究員

「腸活」が一般化し、菌に関する話題も日常的に耳にするようになりました。暗い検査室で細菌検査用の培地を作ったり、実習生のお世話をした日々を思い出すと、細菌や微生物のイメージが大きく変わったことを実感します。「クオラムセンシング」や「化学物質によるシグナル伝達プロセス」などの専門用語も一般に普及し、菌の能力や役割が再評価されています。腸内細菌は人の健康に欠かせない存在であり、彼らの共生を感謝し、その住環境を整えることが健康維持に繋がると考えます。暴飲暴食は、絶食絶水のもとなのです。フローラバランス検査の可能性についてお話しします。

 

▼腸内細菌叢移植が有効であった乳がんの症例報告

 田中 善 (医療法人仁善会田中クリニック 理事長)

がんの発症予防、他のがん治療法の効果を高めること、がんの再発・転移の予防、QOL(生活の質)改善の可能性がある腸内細菌叢移植。乳がんの患者さんに腸内細菌叢移植を使用した症例や当研究会におけるがんに対するFMTの臨床研究の必要性を提言しました。

腸内細菌叢移植が有効であった乳がんの症例報告
田中 善
医療法人仁善会田中クリニック 理事長

がん治療に腸内細菌叢移植を加えることにより、がんの発症予防、他のがん治療法の効果を高めること、がんの再発・転移の予防、QOL(生活の質)改善の可能性があります。腸内細菌叢移植により免疫、代謝機能を改善し、がん患者さんに有用な治療法の一つになることを目指しています。今回は、乳がんの患者さんに腸内細菌叢移植を使用した症例を提示します。

 

気体を”飲んで”健康をサポート
「水素NanoGAS®︎水」による酸化ストレス軽減効果と一般的な利活用

森下 理咲子(シンバイオシス株式会社 研究員)

より長期に安定する製造法として開発した水素NanoGAS®︎水の飲水による酸化ストレス軽減効果に関して、これまで得られてきた結果も含め、一般的な利活用への可能性について発表しました。

気体を”飲んで”健康をサポート 「水素NanoGAS®︎水」による酸化ストレス軽減効果と一般的な利活用
森下 理咲子
シンバイオシス株式会社 研究員

水中での長期安定性が知られる1μm未満の微細な気泡“ナノバブル“は任意の気体を封入することが可能である。シンバイオシス(株)は特許を取得した製造法でより長期に安定するナノバブルNanoGAS®︎を開発し、バブルの中に抗酸化作用を有する水素を封入し、一般的に摂取が難しい気体を“飲める“形状へと進化させた。NanoGAS®︎基礎研究では、水素NanoGAS®︎水の飲水による酸化ストレス軽減効果に関して、これまで得られてきた結果も含め、一般的な利活用への可能性について報告する。

悪玉菌と呼ばれる菌たちへ
 〜あなたは「犯人」なのですか?腸内生態系のふしぎ〜

 山本 千尋(シンバイオシス株式会社 主任研究員)

時間の都合上、ご挨拶のみさせていただきました。拡大版をアーカイブ動画として配信しています。

悪玉菌と呼ばれる菌たちへ〜あなたは「犯人」なのですか?腸内生態系のふしぎ〜
山本 千尋
シンバイオシス株式会社 主任研究員

ばいきんまんは悪だろうか?
アニメや映画にはしばしば悪役が登場する。彼らはたしかに主人公サイドに害をなし、時にはそれを楽しんでさえいる。けれど、現実はもうすこし複雑だ。私たちは物事の「悪なる側面」を見つけると、その存在自体を「悪なるもの」と混同してしまいがちだけれど、実際はそうとも言い切れない。悪玉菌と呼ばれる細菌たちは、私たちに何をしているのか?彼らはいついかなるときでも悪なのか?彼らはどうしてそこにいるのか?複雑な腸内生態系を読み解く足がかりに、悪玉菌と呼ばれる菌たちを簡単に紹介したい。

 

▼企業紹介

一般社団法人 日本先制臨床医学会
がん難民及び現時点で有効な標準治療が定まらない難病患者を救済するとの理念のもと、将来起こりやすい病気を疾患の発症前に予測・診断し、先制し介入するという予防医療の観点から、効果的な予防法・検査法・治療法を開拓し臨床研究することで、我が国の学術の発展及び国民の健康増進に寄与することを目的として活動しております。毎年学術大会を開催し、国内外に向けて最新情報をディスカッションする場所を提供しております。
https://jspcm.org/


ライフウェルネス六命健康法
英国王室御用達 世界最高水準の自然療法「六命健康法®」 6つの生活法と2つの体質タイプ別の健康法。あなたに合った一生モノの健康習慣を身につけて、未病改善、病気予防、寝たきりにならず、健康寿命を延ばしませんか?生活習慣が健康のカギ!六命健康法®は、健康に生きることが日本の文化になることを目指しています。
https://jlwa.jp/


大高酵素株式会社
伝統と信頼のブランド『大高酵素』
北海道生まれの大高酵素は、日本で最初に植物発酵エキスを創生したパイオニア企業です。
約100年間変わらない製法で植物発酵飲料を通じて、健康と美容に貢献できればと考えております。
当日、試飲も行っておりますのどうぞよろしくお願いいたします。
https://www.ohtakakohso.co.jp/


株式会社玄米酵素
玄米酵素ハイ・ゲンキ
株式会社玄米酵素は、昭和46年の創業です。玄米・胚芽・表皮を麹菌で発酵させた玄米のサプリメント「玄米酵素」は、消化のよい健康補助食品で、北海道の自社工場で生産しております。製品から農薬は検出されておらず、食品添加物も使用しておりません。ご安心してお召し上がりください。
https://www.genmaikoso.co.jp/


株式会社はっぴぃandプロジェクト様
親なき障がい者の未来をMAMORU『ゆいごん白書®』
障がいの子どもをもつ親御さんにとって一番の心配事は「自分たちがいなくなったら、この子はどうなるの?」。親なき『ゆいごん白書®』は、障がいのある人が周囲に理解され、支援を受けるための情報を、チェック形式で「シンプル・簡単・確実」に書き遺しておけるシートです。
https://yuigonhakusho.com/oyanaki.html


フレンチレストラン ル・クロ グループ
オーナーシェフの黒岩功が「障がいのある人もない人も、一緒に働ける環境を作りたい」という想いから、福祉事業所を開設。天満橋にある福祉事業所では、キャストと呼ばれる利用者さんが、料理の仕込みやデザート作り、接客など、幅広い仕事に携わっています。当日は焼き菓子(大人気の5種類の手作りクッキー)をご用意してます!
https://fooding.co.jp/


みいちゃんのお菓子工房
滋賀県にある5坪の小さなケーキ屋さん。パティシエ兼店長のみいちゃんは、恥ずかしがり屋さん。お客さまとお話はできませんが、ケーキを通じてコミュニケーションをとっています。当日は焼き菓子をご用意してます。大人気のフィナンシェ、工房サブレなどを販売します!
スタッフ一同でお待ちしております。
https://mi-okashi.com/


シンバイオシス株式会社
水素NanoGAS水
水素NanoGAS水は糞便微生物叢移植の根幹であり、医療以外にも応用が進んでいます。NEDO助成で日本酒やワインの風味維持を検証し、添加により風味が変わることもわかりました。学術大会当日はブースにて、予約制でご相談も可能です。事前予約はこちらから
https://sym-biosis.co.jp/


▼ランチタイムトークセッション

「作る・食べる・笑顔になる ル・クッカーの魔法の時間」

・畠中 直美(一般社団法人チャレンジドLIFE代表)
・杉之原 千里(みいちゃんのお菓子工房代表)
・瀧 幸子 (一般社団法人こどもになる代表)

今回のトークセッションでは、作る楽しみ、食べる楽しみ、そして広がる笑顔、子供たちのために活動されている3人の女性の想いや経験をお話しいただきました。


<<Afternoon session>>


▼基調講演
「発達障がいを見て・視て・観て・診て・そして〜」

平山 哲(ひらやま さとる)先生
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター
子どものこころの診療科 副部長

ここ10年ほどで「発達障がい」という言葉がありきたりに感じられるぐらいよく知られた言葉となりました。20年以上、さまざまな発達障がいを見て勉強し、発達になんらかの凸凹をかかえる子どもたちを診てきた経験に基づき「子どもをみることの大きな意味合い」という観点からご講演いただきました。

「発達障がいを見て・視て・観て・診て・そして〜」
平山 哲 先生
地方独立行政法人大阪府立病院機構代表
大阪母子医療センター子どものこころの診療科 副部長
ここ10年ほどで「発達障がい」という言葉がありきたりに感じられるくらいよく知られた言葉となりました。さまざまな発達障がいを見て勉強し、発達になんらかの凸凹をかかえる子どもたちを診てこられた平山先生。子どもが100人いれば100人とも特徴が違うように、子どもたちにあった道もそれぞれです。長年の臨床医としての経験に基づき、「子どもを直接みる、子どものあらわしているものをみる、よく子どもを観察し、そして診断、その後に何を子どもと保護者へ伝えるか」ということを、「子どもをみることの大きな意味合い」という観点からご講演いただきます。

▼特定臨床研究結果報告

城谷 昌彦 先生(ルークス芦屋クリニック 院長)

昨年5月に開始した5歳から12歳のお子さんを対象とした自閉スペクトラム症に対する腸内細菌叢移植の有効性と安全性に関する特定臨床研究の結果報告を行いました。

新規FMT法は、FMT施行時に一般的に用いられている抗菌薬投与や腸管洗浄を必要とせず、また、その投与量(投与する細菌数)も従来のFMT法の1000分の1以下であり、ASD児にとって緩和な条件となっており、この新規FMTの侵襲の少なさ、安全性、効果は広く注目されるべきものであり、ASDのみならず他疾患への応用も視野に入れた研究が期待されています。

自閉スペクトラム症に対する新規糞便微生物移植法の有効性と安全性に関する特定臨床研究結果報告
城谷 昌彦
ルークス芦屋クリニック 院長

ルークス芦屋クリニック 城谷昌彦2023年5月から始まった「自閉スペクトラム症(ASD)に対する新規糞便微生物移植法(FMT)の有効性と安全性に関する特定臨床研究」では、水素ナノバブル水を含む糞便微生物叢液(SHIN-1)を使用し、重度・中等度・正常域のASD児30名に適用した結果、重症度が統計的に有意に約30%低減した。特に重症域28名中19名(約68%)が軽症化し、安全で侵襲の少ない治療法として注目される。この新規FMT法は、ASD治療のみならず他疾患への応用も期待されている。

 

▼パネルディスカッションと質疑応答

『自閉スペクトラム症(ASD)と腸内細菌叢移植の可能性』

自閉スペクトラム症(ASD)と腸内細菌叢移植の可能性について、実際に移植に携わられている6名の先生方と、お子様が移植を体験された畠中直美さんにディスカッションしていただきました。当日ご参加いただいた方からの質問回答、菌との共存などお話ししました。

座長:田中 善 先生(医療法人仁善会田中クリニック 理事長)
城谷 昌彦 先生(ルークス芦屋クリニック 院長)
平山 哲 先生(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター 子どものこころの診療科 副部長)
萬 憲彰 先生(医療法人医新会よろずクリニック 理事長)
麻植ホルム 正之 先生(医療法人LAGOM ライフクリニック蓼科 理事長)
川井 勇一 先生(医療法人悠亜会 かわい内科クリニック 理事長)
喜多村 邦弘先生(医療法人喜和会 喜多村クリニック 院長)
畠中 直美(一般社団法人チャレンジドLIFE 代表)

▼今後の取り組みについて

腸内細菌叢移植の可能性

実際に移植に携わられている先生に、腸内細菌叢移植の今後の可能性についてお話していただきました。


麻植 ホルム正之医療法人LAGOM ライフクリニック蓼科 理事長)
川井 勇一医療法人悠亜会 かわい内科クリニック 理事長)
豊福 祥生兵庫みなと動物病院 院長)
船越 真木子まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 院長)
和久晋三和久医院 院長)
福沢 嘉孝愛知医科大学理事・名誉教授)

▼閉会の辞

専務理事 城谷昌彦 先生(ルークス芦屋クリニック 院長)

最後に、専務理事の城谷昌彦先生から、特定臨床研究終了など日頃の感謝を述べ、閉会いたしました。

▼エンディング動画

閉会のご挨拶後にご覧いただいたエンディング動画です。

▼ご参加いただいた方からのお声

当日、ご参加いただいた方に「第8回学術大会」全体を通してのご感想をお聞きしました。

Oさん:腸内細菌の話は、人からなんとなく聞いたりして、漠然とよさそうだとは思っていましたが、今日の話を聞いてやっぱり腸内の環境が人に大きく影響するということが分かりました。気になるのは料金なんですが、今出来ることを探してみたいと思いました。

Nさん:自閉スペクトラム症だけでなく、がんに関しての研究内容についてもお聞きすることができ、大変勉強になりました。腸内フローラの可能性に希望を見出すことができました。関わってくださっているすべての皆様に感謝いたします。

Sさん:今まではオンライン参加のみで今回初めて会場参加させて頂きます、皆さんの腸内フローラ移植に対する熱意が肌で分かり、本当に良かったです。 ありがとうございます。

Kさん:国内でFMTがここまで進んでいることを学べてよかった。 今後もFMTを始めとした腸内細菌叢の研究がすすむことが楽しみです。

▼第9回学術大会について

第9回学術大会は、下記の通り開催いたします。
腸内フローラ移植の基礎研究報告・症例報告など、皆様方に日頃の研究の成果をご報告いたしますので、皆様のご来場をお待ちしております。

【日時】2025年9月21日(日) 11:00~(予定)

【場所】リーガロイヤルホテル大阪(オンライン同時開催)

▼おわりに

本年も無事に開催できましたのは、皆様のご支援とご協力のお陰と感謝しております。本当にありがとうございました。

新たな報告ができるよう日々研究を重ねてまいります。引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。

アーカイブ動画は、下記サイトよりお申込みを受け付けております。どうぞよろしくお願いいたします。

一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会
第8回学術大会

新しい治療の鍵 〜腸内フローラ移植が導く未来〜


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