腸内フローラ移植・症例紹介

適応障害、アトピー性皮膚炎、20代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 20代女性 適応障害、アトピー性皮膚炎

要約

便秘と肥満、アトピーを改善したいとのことで移植希望。食事の甘いものがなかなかやめられなかったが、少しずつ食事の改善があり便通は良くなった。ただ、肥満に関しては体重減少には至らなかった。皮膚の症状は少し良くなった。

基本情報

患者様:20代女性
主治医:医療法人 はるなクリニック
移植担当医療機関医療法人 はるなクリニック

初診時情報

病名:適応障害、アトピー性皮膚炎
発症時:2014年8月
移植目的疾患の改善、便秘改善、体重減量
主訴:乳児の時からアトピー性皮膚炎、2014年8月頃から精神不安定、パニック、躁状態を繰り返し、病名については適応障害と診断されている。
既往歴:
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:抗精神病薬、整腸剤、ビタミン剤など服用

移植情報

移植期間:2019/2/7~2019/4/4
移植回数:6回
移植初回〜移植終了までの変化:
【1回目移植時問診】
食事は甘いものがなかなかやめられないとのこと。現在は症状としては安定。移植後の腸音はあるが、少し乏しい感じがした。

【2回目移植時問診】
便通が改善した。食事の仕方も、血糖をなるべく上げないように工夫した。腸音は前回よりも良くなている。

【3回目移植時問診】
便通は良くなったが毎日ではない。少し減量したような感じがする。

【4回目移植時問診】
気分的には落ちついてきている。食事は改善しているが、甘いものがなかなかやめられない。血液検査の結果で低血糖傾向があり、少量頻回に血糖をゆっくり上げるような食事の指導をした。

【5回目移植時問診】
食事で少し糖質を減らすことができたが、間食をなかなかやめられない。便通は以前よりは出るようになってきた。

【6回目移植時問診】
甘いものを食べなくても大丈夫になった。体重は減らない。精神的に落ち着いてきている。

腸内フローラバランス 比較データ

本人の体感(アンケートより):回答なし

評価・考察

移植評価:症状の軽度改善
有害事象の有無:なし

移植終了後の変化:
便通が少し良くなった。気分的に少し安定してきており、職場復帰もできた。

移植総評・考察:
便通は少し良くなったが、食生活がなかなか変わらないため改善とまでは言えない。気分のムラはおさまってきている。移植後6か月では、食事は甘いものを少しは控えられるようになり、精神的に安定、便通も良くなっている。しかし、体重減少には至らなかった。

以上

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