自閉スペクトラム症 8歳女児 -糞便微生物叢移植症例紹介
症例紹介 8歳女児 自閉スペクトラム症
要約
自閉スペクトラム症(ASD)、場面緘黙に対して糞便微生物叢移植を行った症例。診察室での緘黙は移植後も変わらなかったが、家族との会話は増え、機嫌の良い日が増えた。移植の効果と考えられる。
基本情報
| 患者様: | 8歳女児 |
| 主治医: | 城谷バイオウェルネスクリニック内科・矯正歯科 神戸三宮 (旧:ルークス芦屋クリニック) |
| 移植担当医療機関: | 城谷バイオウェルネスクリニック内科・矯正歯科 神戸三宮 (旧:ルークス芦屋クリニック) |
初診時情報
| 病名: | 自閉スペクトラム症 |
| 発症時期: | 2016年11月 |
| 移植目的: | 疾患の改善 |
| 主訴: | 3歳児健診で引っかかり、その後、小児科で自閉症スペクトラムと診断を受ける。 2歳半くらいから幼稚園で喋らないと言われ、場面緘黙の症状があり、3歳になってから場面緘黙症専門の先生に診断を受ける。 また身長、体重については生後4ヶ月健診からひっかかり、以後ずっと経過観察中で、5歳から成長ホルモンの注射治療を開始。 7歳の時に発達検査で発達指数(DQ)66と診断。現在は、気持ちの切り替えにくさ、一人の友達とだけ仲良くする、決まった服だけ着る等、偏屈さがある。 |
| 既往歴: | 自閉症スペクトラムは療育、カウンセリング。 場面緘黙症はカウンセリング。 低身長はホルモン注射。 |
| 経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: | 鉄、葉酸、ビタミンB6を飲んでいたが現在は飲んでいない。 |
移植情報
| 移植期間: | 2023/7/5〜2023/8/9 |
| 移植回数: | 移植6回 |
| 移植初回〜移植終了までの変化: |
| 【1回目移植時】 初めての移植で、注入時緊張した表情であるが、終了後、笑顔あり。 【2回目移植時】 前回移植後、菌液の排出はなかった。翌日に排便ありtype4。 その後は1回/2日のペースで排便あり。 大きな変化はなし。 【3回目移植時】 クリニックへ抵抗なく来院できている。 笑顔も増えているように感じる。 本日は単語を話すのではなく、会話ができた。 【4回目移植時】 母親より「よく喋るようになった」とのこと。笑顔あり。 移植時もスムーズで、カテーテル挿入時に表情固まることはあるが、直後より笑顔見られる。 【5回目移植時】 弟と母と一緒に笑顔で来院。 質問に答えてくれる。 【6回目移植時】 笑顔あり。発語みられ会話ができる。 |
| 移植終了後の変化: |
| ・一時期、ゲップが多く見られた。 ・移植6回目終了後より、ゲップが増えたが自制内であり次第に消失した。 ・表情が穏やかで豊かになり、視線が合うようになった。 ・場面緘黙はある。 ・排便は2日に1回は出ている。 |
腸内フローラバランス 比較データ

評価・考察
| 移植総評・考察: |
| 場面緘黙は改善しなかったが、家族との会話は増えた。 移植6回目終了後より軽度のゲップが出現するも次第に消失。 |
以上