潰瘍性大腸炎の新しい治療法
一般財団法人
腸内フローラ移植臨床研究会
第8回学術大会
革新的な

潰瘍性大腸炎の 新しい治療法

学術大会にご参加いただき、患者さんに優しい腸内細菌叢移植の可能性を感じてください。
学術大会の詳細をみる

潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎とは、大腸の内側の粘膜に炎症が起こり、潰瘍や出血を引き起こす疾患です。

この疾患は、慢性の炎症性腸疾患の一種であり、身体の免疫系が誤って腸内の善玉菌や食物を攻撃することによって引き起こされます。

患者の症状は個人によって異なりますが、一般的には腹痛、下痢、便中の血液や粘液などがみられます。潰瘍性大腸炎は遺伝的な要因や環境要因、免疫系の異常など複数の要因が組み合わさって発症する可能性があります。

この疾患は適切な治療を行わなければ合併症を引き起こす可能性があり、早期の診断と適切な治療が重要です。患者一人ひとりに合った治療を受けることで症状の緩和や予後の改善が期待できます。

潰瘍性大腸炎の原因と発症メカニズム

潰瘍性大腸炎の原因と発症メカニズムは複雑なものです。

まず、遺伝的な要因が関与すると考えられています。特定の遺伝子の変異が疾患の発症リスクを増加させる可能性があります。

また、免疫系の過剰な反応が、腸内の微生物や食物に対する攻撃を引き起こし、結果として炎症が生じます。

さらに、環境要因も疾患の発症に影響を与える可能性があります。喫煙やストレス、食事などがリスク要因とされています。

潰瘍性大腸炎の治療法

潰瘍性大腸炎の治療法には、薬物療法、栄養療法、手術などがあります。
潰瘍性大腸炎の症状の程度や進行具合に応じて選択されます。

  • 薬物療法:
    炎症を軽減するものから、免疫抑制薬や生物学的製剤などの強力な治療法まで多様な選択肢があります。
  • 栄養療法:
    食事療法や経腸栄養が行われます。特定の食品を避けたり、補給食を利用したりすることが一般的です。
  • 手術:
    症状が重症で薬物療法や栄養療法が効果的でない場合に選択されることが多い治療法です。患者や家族は医師と相談し、最適な治療法を見つけることが重要です。

Innovative

潰瘍性大腸炎の新しい治療法

近年、潰瘍性大腸炎の新しい治療法として注目されているのが、糞便微生物叢移植(FMT: Fecal Microbiota Transplantation)です。複数の大学が、潰瘍性大腸炎の治療に関する先進医療Bに参加しています。

当研究会では、患者さんに優しい方法を採用した新しいFMT法であるNanoGAS®-FMT法を取り入れています。

Treatment Method

移植前に抗菌薬を
使用しません

NanoGAS®-FMT法は、移植前に抗菌薬を使用しません。移植する微生物叢液の量も、細菌数に換算すると、1000分の一以下とごく微量です。

食事制限も腸管洗浄も
必要ありません

移植時に内視鏡も使用しないため、食事制限をする必要がなくなり、腸管洗浄も必要ありません。直径7ミリ弱の極細のゴム管を肛門に近い直腸付近に、ごく微量の微生物叢液を投与することで、移植を実施することができます。

心と体に
優しい方法

投与時間は僅か約10分です。 このように、新しいFMT法は、患者さんの心と体に優しい負担の少ない方法で実施しています。
糞便微生物叢移植は、腸内フローラのバランスを整えることで、潰瘍性大腸炎の根本的な原因にアプローチする新しい治療法として注目されています。潰瘍性大腸炎に苦しむ多くの患者にとって、この治療法が新たな希望となることが期待されます。
安全なNanoGAS®-FMT法の実現のために
NanoGAS®-FMT法を安全に実施するために、ドナーの徹底した健康管理をしています。 医師が定期的にドナーの問診を実施、専用のドナーバンクでは、ドナー便の厳しい検査を実施しています。

Case Report

潰瘍性大腸炎の症例報告

潰瘍性大腸炎(UC: Ulcerative Colitis)の治療法として、
NanoGAS®-FMT法を実施した医師による症例報告をご紹介します。
ケース1
50代女性
病名
潰瘍性大腸炎、反応性関節炎
移植目的
疾患・関節痛等の改善
移植回数
移植6回実施
移植評価
症状の中程度の改善
移植開始後に虫垂炎を発症し、抗生剤内服で軽快。その後、一時的に増悪(下血)があるも徐々に改善傾向あり、潰瘍性大腸炎に対して効果があったものと考える。
ケース2
60代女性
病名
潰瘍性大腸炎
移植目的
疾患の改善
移植回数
移植6回実施
移植評価
症状の明らかな改善
移植前は下痢、血便、腹痛を認めており、皮膚にざらつきあり。移植1回目より有害事象なく、前記症状の軽快消失を認めた。
ケース3
50代男性
病名
潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、肛門不全
移植目的
下痢、ガスの改善
移植回数
移植3回実施
移植評価
症状の明らかな改善
自覚症状(下痢、排便回数、ガスが多いなど)が指標。 移植1回目でガス貯留感が改善、便もやや硬めになった。 2回目以降も腹部及び排便症状は更に改善傾向。加えて慢性的な鼻閉感も改善したとのこと。
ケース4
60代男性
病名
潰瘍性大腸炎
移植目的
下痢・腹痛、血便の改善
移植回数
移植6回実施
移植評価
症状の明らかな改善
血便、腹痛があり。症状持続し、10ヶ月後に大腸内視鏡検査等で潰瘍性大腸炎と診断された。 その後、6回の移植を行った。 徐々に腹痛、下痢がなくなり、血便もなくなった。 移植に伴う副作用も認められなかった。
Treatment For Ulcerative Colitis

過去開催の学術大会での発表

当研究会は年に一度、学術大会を開催しています。腸内細菌叢移植の症例報告、外部講師をお招きした基調講演、パネルディスカッションなどを1 日に集約し、行っています。過去開催時の潰瘍性大腸炎についての発表をご覧ください。

第5回学術大会

潰瘍性大腸炎 症例報告
麻植ホルム正之 先生(ライフクリニック蓼科 院長)
YouTubeで見る

第5回学術大会

潰瘍性大腸炎 症例報告
御川安仁 先生(ラナチュラルアートクリニック 院長)
YouTubeで見る

第6回学術大会

炎症性腸疾患 症例報告
木村 衛 先生(医療法人桂名会 木村病院 理事長)
YouTubeで見る
当研究会の症例別移植実績数は800件以上です。
(2024年6月5日時点)

当研究で実施しているNanoGAS®︎-FMT法による糞便微生物叢移植は潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患のみならず、自閉スペクトラム症やアトピーアレルギー、生活習慣病などにも有効性が認められています。

第8回となる今年の学術大会においては、がんの早期発見、早期治療の重要性に対する理解が進み、様々な方法が開発されるなか、がん治療における腸内細菌叢移植の可能性と症例報告を発表いたします。また、昨年5月から開始した「自閉スペクトラム症に対する
新規糞便微生物移植法の有効性と安全性に関する特定臨床研究」の結果を報告いたします。

Extensive Experience
一般財団法人
腸内フローラ移植臨床研究会
第8回学術大会
ぜひ、学術大会にご参加いただき、腸内細菌叢移植の可能性を感じてください。
日時
2024年9月22日(日)
会場
リーガロイヤルホテル大阪
オンライン同時開催
学術大会に参加する