お知らせ・活動報告

【募集終了】潰瘍性大腸炎に対する腸内フローラ移植の有用性において、生理食塩水で精製した菌液と移植機能水で精製した菌液の生着率比較調査参加者 計15名(実施場所:鳥取・長野・兵庫・大阪)

募集は終了しました。ご協力ありがとうございました。
下記より結果報告をダウンロードしていただけます。
執筆者:ルークス芦屋クリニック城谷昌彦


 

1)はじめに

一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会は、腸内フローラ移植の研究開発、臨床応用を通して、人々の健康に寄与する活動を行う非営利団体です。
臨床医が中心となり、「腸内フローラ移植(糞便微生物移植)」という新しい治療の確立に取り組み、腸内フローラ移植の臨床応用及び研究開発を通して、人々の健康に寄与する活動を行います。
腸内フローラ移植は副作用がほとんどなく、当研究会ではドナーにとっても患者様にとっても負担の軽い方法を採用しています。

当研究会に所属する移植チームは、35年以上の細菌基礎研究を通じて独自の腸内フローラ移植方法を開発したことで、これまで600例以上の腸内フローラ移植を行ってまいりました。臨床応用へのご協力、自費診療という形ではありますが、移植症例数は国内最大です。

この度、当研究会は「生理食塩水で精製した菌液とオリジナルの移植機能水で精製した菌液の生着率比較調査」を行うことになりました。調査にかかる費用につきましては、費用の一部負担をご了承いただける方にのみ、ご参加をお願いしております。

消化器専門医をはじめとした複数の医療機関と連携し、患者様に安心して移植を行っていただける体制をとっております。

以下に当研究会の移植菌液の特徴や提携医療機関での移植方法と、一般的な方法(大学病院などでの臨床治験で使われる方法)の比較を記載しております。

2)臨床応用参加対象者

臨床応用にご参加いただける方は下記のとおりです。

1、出血のない、潰瘍性大腸炎
2、年齢、性別は問わない(未成年の方は、保護者の同意が必要です)
3、臨床応用であること、費用の負担があることを了承していただける方

なお、以下の基準に当てはまる方は参加いただけません。
1、出血のある方
2、拡張が必要な狭窄や膿瘍および肛門周囲膿瘍など重篤な合併症がある方
3、活動性のある感染症を発症されている方
4、糖尿病や高血圧、高脂血症など他の重篤な合併症を有する方
5、妊娠の可能性がある方
6、その他担当医師が不適格と判断した方

※ご参加いただくために、病状や他の状況等を担当医師が確認をさせていただくことがあります。

3)この臨床応用の目的及び意義

独自に開発した当研究会の移植は、ドナーバンクから厳選してブレンドした菌液や、移植後の生着速度、高い生着率が特徴です。
便から食物繊維などの不純物を極力取り除き、菌液の状態にする点では、一般的な方法と共通しています。

各大学で行われている一般的な方法で用いられる菌液と、当研究会の移植方法で用いられる菌液を使い、同一人物に対して移植を行い、移植の手法に左右されずにその生着速度、生着率に差異があるかを検証することを目的としています。

本研究の結果により、移植によって腸内細菌が高確率で生着することを実証することで、腸内フローラ移植の可能性を大きく広げるきっかけとなり、潰瘍性大腸炎において腸内フローラ移植法を有用な治療法として加えることができます。

4)臨床応用の方法について

この研究へは、一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会のサイトのお問い合わせフォームからお問い合わせいただけます。臨床応用であること、有償であることを同意いただいたうえで、お申込みください。実施医療機関までの交通費などは、各自でご負担いただくこととなります。実施医療機関は、下記からご確認いただけます。

募集人数

各実施医療機関で各5名
(定員になり次第締め切らせていただきます)

 

臨床応用スケジュール

  スケジュール
対象者様に検便キット、問診票を送付。自宅で採便していただき、対象者様から返信用封筒で研究機関に返送していただく。
移植第1回…生理食塩水で作った菌液を下記の方法でそれぞれの対象様に移植。
移植後、最初の便を、検便キットを使用して研究機関に送る。
1週間後、2回目の移植…移植機能水で作った菌液を下記の方法でそれぞれの対象者様に移植。
移植後、最初の便を、検便キットを使用して提携クリニックに送る。
3回目以降の移植のスケジュールを実施医療機関と決める。

移植の方法

生着率が移植の手法に依存しないことを検証するため、下記の方法で移植を行います。

▼大腸ファイバーを使い、生理食塩水・移植機能水で作った菌液、両方を移植

  • 協力クリニック:よろずクリニック(鳥取県)
  • 院長 萬 憲彰(一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 専務理事)

▼大腸ファイバーを使い生理食塩水を移植、移植機能水で作った菌液を使いゴム製腸カテーテルで移植

  • 協力クリニック:ライフクリニック蓼科(長野県)
  • 院長 麻植 ホルム 正之(一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 代表理事)
  • 協力クリニック:かわい内科クリニック(大阪府)
  • 院長 川井勇一(一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 正会員)

▼生理食塩水・移植機能水で作った菌液両方をゴム製腸カテーテルで移植

  • 協力クリニック:ルークス芦屋クリニック(兵庫県)
  • 院長 城谷昌彦 (一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会 常務理事)

提供者(ドナー)の選定と事前検査について

当研究会は、事前にドナーバンクに登録されたドナーの便を使用します。
事前検査は、下記の通り実施しています。

《生化学Ⅰ》
T-Bil、TP、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH、γ-GTP、T-Cho、TG、CK、Cre、UA、グルコース
(13項目)

《免疫学》
CRP定量、HBs抗原定性、HCV抗体、RPR定性、TP抗体定性、HIV抗体

《血液学》
血液一般、白血球分類

《その他》
尿一般定性

5)臨床応用研究参加終了後の治療(対応)について

この臨床応用は、腸内フローラ移植における一般的な方法と当研究会の移植方法における菌の生着速度、生着率を検証することを目的としています。しかし当研究会では、通常当研究会の菌液を使った方法で3回以上の移植を行っております。そのため、生着速度、生着率の検証に加え、対象者様の状態に合わせて、引き続き移植をすることを納得いただいたうえで、研究に参加いただくことをご理解いただいております。
一般的な方法を含む5回目以上の移植に関しましては、4回目の移植終了後、実施医療機関にてご相談ください。費用に関しては、下記7)をご確認ください。

6)予想される利益と不利益

予想される利益

通常の潰瘍性大腸炎の治療に加えて、本研究の治療法を併用することによって、効果が高くなることが予想されますが、利益/不利益双方の可能性があります。
あなたがこの研究に参加することで、将来の潰瘍性大腸炎の患者様のために、より有効な治療法を確立するための情報が得られ、治療法確立のために社会的な貢献が期待されます。

予想される不利益

●臨床応用参加対象者(レシピエント)の副作用について

これまでの一般的な糞便微生物移植法で報告された副作用は、発熱、下痢、便秘、嘔気、血圧上昇があります。
一般的な糞便移植によって、ここに記載した以外にも、副作用は報告されています。副作用に関する最新の情報をお知りになりたいときは、いつでも担当医にお尋ね下さい。また、研究中に体調などが変わったことがありましたら、いつでも担当医師等にお知らせください。

●臨床応用参加対象者(レシピエント)の検査に伴った合併症について

この研究では、大腸内視鏡検査を移植時に使用することがあります。
それに伴った合併症が起きる可能性があり、一般的には腸管穿孔や粘膜損傷があります。
また鎮静剤(ミダゾラム、プロポフォールなど)を使用した場合は、呼吸抑制、血圧低下がおきる可能性があります。
一般的な方法による移植前に、抗生剤を使用いただくため、それに伴う副作用がある場合があります。
採血量は健康診断等にて実施する場合とほぼおなじであり、重篤な合併症が生じる可能性はないと考えられます。

7)費用負担について

臨床応用にかかる費用につきましては、費用の一部負担をご了承いただける方にのみ、ご参加をお願いしております。(価格はすべて税込表示です)

  通常 臨床応用参加対象者様用
腸内フローラ移植3回コース 腸内フローラ移植4回コース
価格 1,049,760円 531,360円
内容 ・腸内フローラバランス検査(移植前後2回)
・ドナー検査費用
・移植菌液費用(3回分)
・移植菌液調整費用(3回分)
・移植処置費用(3回分)
・医療機関初診料、問診料(2回分)
・診療補助水(飲用)
・腸内フローラバランス検査(各移植前後4回)
・ドナー検査費用
・移植菌液費用(4回分)
一般的な方法1回+当研究会の方法3回
・移植菌液調整費用(4回分)
一般的な方法1回+当研究会の方法3回
・移植処置費用(4回分)
一般的な方法1回+当研究会の方法3回
・医療機関初診料、問診料(3回分)
・診療補助水(飲用)

追加処置費用について

追加移植処置1回分(5・6回目) 270,000円/回
追加移植処置(7回目) 216,000円/回
追加移植処置(8回目以降) 108,000円/回

キャンセルポリシー

初回移植日を含む10日前のPM12時までにご連絡をいただいた場合
→ご入金いただいた100%の金額をお返しいたします。

初回移植日を含む10日前のPM12時以降から5日前PM12時までにご連絡をいただいた場合
→ご入金いただいた50%の金額をお返しいたします。

初回移植日を含む5日前PM12時以降から前日AM9時までにご連絡をいただいた場合
→ご入金いただいた25%の金額をお返しいたします。

初回移植日の当日AM9時までにご連絡が無かった場合
→ご入金いただいた20%の金額をお返しいたします。

※返金の際の振込み手数料は、お申込者様負担とさせていただきます。

8)健康被害の補償について

あなたが、この臨床応用に参加したことによって、万一健康被害が生じた場合には、適切な治療を行います。

研究期間中に異常を感じられた場合、どんなことでも結構ですから、医師、看護師などにお伝えください。

健康被害が生じた場合は、すぐに適切な対応を開始します。また、必要に応じて健康被害に対して補償があります。

この研究では、研究用に25mlの採血を1回行わせていただきますが、この採血は日常的に行われている採血と全く同じ方法で行われるものですので、これにより大きな健康被害が生じる可能性は低いと考えております。

万一何か気になる症状が現れましたら、どのようなことでも遠慮なくご連絡ください。 症状に応じて適切な対応をします。検査や治療などが必要となった場合の費用は、通常の診療と同様に医療保険(国民健康保険など)を適用して、自己負担分をお支払いいただくことになります。

9) この研究に関する情報の提供と資料の閲覧について

本臨床応用に参加されている期間中、あなたの研究参加の継続の意思に影響を与えるような情報を新たに入手した場合は、直ちにお知らせいたします。また、この研究に関して重要な情報が得られた場合は、研究参加の継続に関してもう一度あなたの意思を確認します。

あなたが研究の計画や方法についてさらに詳細な資料をみたいと思われた場合には、担当医師等にご相談ください。

他の対象者様の個人情報が保護され、この研究の独創性が保たれる範囲内で開示させていただきます。

10) 研究への参加を中止する場合について

参加の同意をいただいた後でも、次のような場合には、研究を中止または研究に参加いただけないこともあります。

(1)臨床応用参加の基準に合わないことが分かった場合
(2)臨床応用全体が中止された場合
(3)その他、担当医師が試験の継続が好ましくないと判断した場合

臨床応用を中止した後も、担当医師が必要であると判断した場合には、患者様の健康状態を追跡調査させていただく場合があります。

臨床応用途中での参加をやめられた場合でも 、それまでに得られた研究のデータは今回の臨床応用に関する貴重な情報となりますので、あなたの個人情報は保護された上で使用させていただきます。

ただし臨床応用の同意撤回をされた場合は、あなたのデータを使用させていただくことはありません。

11)研究の記録などの第三者による閲覧に関して

患者様の人権が守られながら、きちんとこの研究が行われているかを確認するために、研究の関係者、国の機関などの関係者があなたの医療記録等を見ることがあります。しかし、これらの関係者には守秘義務が課せられていますので、あなたの名前などのプライバシーにかかわる情報は守られます。

12) 個人情報の取扱いについて

この研究で得られたあなたデータは、医学雑誌などに公表されることがありますが、あなたの名前などの個人的情報は一切わからないようにするため、プライバシーは守られます。

ご提供いただきました研究データや診療記録から収集させていただいた情報については、これらからあなたを特定できる情報(氏名、生年月日、住所等)を全て除き、代わりに本研究用の登録番号を付けることでその便サンプルや情報が誰のものであるか分からない状態にします。

ただし、必要な場合に個人を識別できるように、あなたと登録番号を結び付けることができる対応表を作成し、残しておきます。(これを「連結可能匿名化」といいます。)

このように、あなたの個人情報の保護については、十分な注意が払われます。

13) 試料・情報の保存と廃棄の方法

この研究で得られたあなたの資料やデータは、少なくともこの研究結果の最終公表から10年間保存します。

データ等を保存および廃棄する場合に、個人情報の保護に十分配慮します。

また、あなたからご提供いただきました血液などの試料は、あなたの個人情報の保護については十分注意を払って保存、廃棄させていただきます。

14) 研究の資金と研究結果の取り扱い

研究の資金について

この研究は、研究に参加いただく患者様と当研究会及び当研究会に所属する提携クリニックの費用負担の元行われます。

研究結果の帰属

この研究によって、将来、特許権等の知的財産権が生じる可能性があります。この研究の結果は、当研究会と当研究会に所属する担当会員が所有することをご了承ください。

15)この研究に参加している間のお願い

研究期間中に潰瘍性大腸炎の治療薬を含む内服薬が変更になった場合は、申し出てください。

抗生剤を内服された場合や整腸剤が新たに加わったまたは削除された場合は、その時点から研究対象から外れる可能性があります。

16)研究担当者と連絡先(相談窓口)

研究担当者

  • よろずクリニック(鳥取県)
  • 院長 萬 憲彰(一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会専務理事)
  • ライフクリニック蓼科(長野県)
  • 院長 麻植 ホルム 正之(一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会代表理事)

相談窓口担当者

17)申し込み方法

下記の問い合わせフォームより必要事項をご明記の上お申し込みください。
なお件名へ「生着率比較調査参加者募集」のご入力をお願い致します。

お問い合わせフォーム

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