過敏性腸症候群　50代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介

2025年02月26日
ルークス芦屋クリニック過敏性腸症候群

症例紹介　50代女性過敏性腸症候群

要約

繰り返す腹痛、膨満感があることから移植行うも、症状の劇的な改善は認めず。

基本情報

患者様：	50代女性
主治医：	城谷バイオウェルネスクリニック内科・矯正歯科神戸三宮（旧：ルークス芦屋クリニック）
移植担当医療機関：	城谷バイオウェルネスクリニック内科・矯正歯科神戸三宮（旧：ルークス芦屋クリニック）

初診時情報

病名：	過敏性腸症候群
発症時：	2013年頃から
移植目的：	疾患の改善
主訴：	腹部膨満感に伴う痛み
既往歴：	・バセドー病(手術にて完治) ・卵巣嚢腫(3回手術にて完治)
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など：	消化管運動機能改善剤等

移植情報

移植期間：	2023/5/25〜2023/7/31
移植回数：	移植6回

移植初回〜移植終了までの変化：

【1回目移植時問診】
血圧高め。腹部の張りあり。全体的に圧痛あり。腸蠕動音亢進。
逆腹式呼吸を説明後に実施し、左腹部の張りは少し軽減。入眠時に行うよう説明。
呼吸が浅く早いため、意識して改善していくよう指導。
移植時、菌液が入っている感じあり。問題なく移植終了。

（患者さんより）
常にガスが腸にたまり、痛みが強い。解放されたい。
採血が怖いので緊張している。

【2回目移植時問診】
腹壁ソフト。腹鳴良好。末梢温暖。眉間にしわが寄っている。
昨日の初回移植時よりは緊張度が軽減してる様子。表情はまだ硬い。
安心する環境作りが必要。

（患者さんより）
昨日、移植4時間後に菌液が出た。今日は排便なし。
普段から副反応が出やすいので心配していたが、発熱がなかったので良かった。
ベッドに入り寝ようとしたが、トイレとガスの影響でなかなか眠れず、1回2時間を2回分しか眠れなかった。昨日は変な夢を見た。

【2回目移植2週間後】
本人からの移植後報告。体調が良くないとご連絡あり。
不安が強い様子。症状は経過を見ていき、傾聴していく必要がある。

（患者さんより）
移植翌日までは良かった。翌々日に関節の痛みと皮膚が切られるような痛みが現れる。
血液が流れるところ全てが痛い。痛み止めも効かない。頚椎は痛くて首が回せない。
免疫の過剰反応だと思われる。1週間程度続いている。
以前にプラセンタを何度か注射した後、免疫の過剰反応で1年くらい倦怠感が続いたことがある。
今回も不安だった。腹部の張りに変化はない。同じ様な感じ。軟便。
移植3回目以降の移植をやめてしまうと希望がなくなるので、諦めたくない。

【2回目移植3週間後】
本人より、次回の移植日予約のため、電話連絡あり。
電話での声は落ち着いているが、不安感の訴えあり。
ドナーを変えることも不安だし、同じ人でも体が反応したらどうしようと思ってしまうとのこと。

【3回目移植時問診】
採血結果について
・ホモシステインが高い
・交感神経が優位
・亜鉛が少ない

腹部の張りは少しのみ。動きはスムーズ。
問題なく移植終了。

（患者さんより）
前回、移植の2日後から全身の激しい痛みが2〜３週間続いた。仕事を休んだ。
今は前と同じ程度になった。頚椎の痛みが続く。免疫系が過剰に働くみたいだ。
ガスの影響でお腹が張り、痛いのは変わらない。

【4回目移植時問診】
痛みへの不安が大きい様子。
「この移植は体を楽にするためのものであるというイメージを持って受けましょう」とお話する。
腹部張った感じあり。動きはスムーズ。

（患者さんより）
移植後、2時間半で菌液の排出あり、4時間後に全て出たような感じがする。
その後、全身が切られるような痛みあり。前回の痛みを10とすると5くらい。
お腹がぐずぐずと痛む。
午前0時から6時までは睡眠をとれた。今朝は朝食を食べられた。
今の痛みは2。我慢できるくらいの痛みなので来られてよかった。

【5回目移植時問診】
腹鳴良好。腹部の膨満なし。笑顔が見られる。移植に対する変化はない様子。

（患者さんより）
前回移植後、5時間我慢してから菌液が出た。
また、2回くらい便が臭いと思った。
お腹は張るしガスも溜まる。お腹が痛くなり、寝付けない。

【6回目移植時問診】
大建中湯など漢方の処方を希望される。
腹部ソフトだが膨満感を訴えている。
移植による効果は感じていない様子。
経過を見ていくこととする。

（患者さんより）
昨日から腹痛強い。全体的にガスで腹部膨満感強い。
背中まで痛みあり、夜は眠れなかった。
前回の移植後、全身の痛みはなかった。良くなった感じはない。