自閉スペクトラム症　12歳男児 -糞便微生物叢移植症例紹介

2024年11月02日
医療法人悠亜会　かわい内科クリニック自閉スペクトラム症

症例紹介　12歳男児自閉スペクトラム症

要約

同じことを繰り返して言う、注意した際の逆ギレ、無駄なこだわりが無くなるのを期待し移植実施。家族の印象としては移植前後で大きな変化はなかったが、腸内フローラバランスには大きな変化が見られている。

基本情報

患者様：	12歳男児
主治医：	医療法人悠亜会かわい内科クリニック
移植担当医療機関：	医療法人悠亜会かわい内科クリニック

初診時情報

病名：	自閉スペクトラム症
発症時期：	12歳
移植目的：	疾患の改善
主訴：	言葉によるコミュニケーションが苦手
既往歴：	なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など：	なし

移植情報

移植期間：	2023/7/1〜2023/8/5
移植回数：	移植6回

移植初回〜移植終了までの変化：

【1回目移植時】
最近の便はコロコロ。移植処置は問題なく終了。

【2回目移植時】
1回目移植後の変化は感じていない様子。本日排便なし。
移植処置に対する抵抗はなし。

【3回目移植時】
変化なし。

【4回目移植時】
変化なし。

【5回目移植時】
変化なし。

【6回目移植時】
変化なし。

移植終了後の変化：

・ご家族から見て大きな変化はないという様子。
・便は2日に1回。やや軟便だったのが、30週は同じペースで普通便になった。
・挨拶はできる。落ち着き無く診察室内をうろつくのは移植前と同様。
・腸音はやや微弱。
・ゲーズファインダーは問題無く施行できた。”指さし”の画面では『ペンギン』と答え「お名前は？」の質問に自分の氏名を答えることができていた。
・以前より、指示に素直に従う印象あり。

腸内フローラバランス　比較データ

評価・考察

移植総評・考察：

同じことを繰り返して言う、注意したときの逆ギレ、無駄なこだわり（消しカスを集める、キッチンのシンクや洗面所の手洗いボウルの水滴をティッシュで拭く、リビングの床に落ちた髪の毛を手のひらで集める等）が無くなるのを期待していたが、家族の印象としては移植前後で変化を実感されなかった。
しかし、これらは自閉症と言うより性格的な部分が大きい可能性もある。
また、腸内フローラバランスには大きな変化が見られており、長期的に変化が出てくる可能性があると考える。

以上

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