腸内フローラ移植・症例紹介

糞便微生物叢移植 症例紹介|自閉スペクトラム症・11歳女児

症例紹介 11歳女児 自閉スペクトラム症

要約

自閉症と診断されてから多動傾向あり。意思疎通はほとんどなく、言葉も出ない。睡眠障害もあり。興奮してなかなか寝てくれない。当初は移植に対して抵抗していたが徐々に抵抗感は少なくなる。便通が改善し、睡眠も少しとれるようになり、言いつけに耳を傾けるようになった。

基本情報

患者様:11歳女児
主治医:医療法人はるなクリニック
移植担当医療機関:医療法人はるなクリニック

初診時情報

病名:自閉スペクトラム症
発症時期:生後10ヶ月
移植目的:疾患の改善
主訴:・こだわり
・言葉の不理解
・発語の遅れ
・多動傾向あり
・集中力がない
既往歴:なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:漢方薬等

移植情報

移植期間:2023/6/23〜2023/7/29
移植回数:移植6回
植初回〜移植終了までの変化:
【1回目移植時】
多動症は変わらず。体温は測定できたが、血圧などは測定不可。

【2回目移植時】
・以前より少し指示が通りやすくなった。
・携帯電話を素直に貸してくれた。
・トイレに自分から行くようになった。
・2,3日に1回の便でべちゃっとしている。

【3回目移植時】
・素直に絵本などを返せるようになった。
・トイレにも自ら行くようになった。
・移植の際に少し抵抗があったようだが、激しい抵抗はなくなった。
・便通は4日に1回程度で、毎日出ることはないが便の質は良くなってきたように思われる。

【4回目移植時】
・機嫌よくしている。
・皮膚の方は変わらずかゆみがある様子。

【5回目移植時】
移植当日に熱が出たが、すぐに下がったため移植実施。

【6回目移植時】
・物分かりが良くなってきた感じがする。
・移植に対する抵抗も少なくなってきている。
移植終了後の変化:
・便通が良くなり、毎日出ている。
・精神的に落ち着いている。
・以前は診察中も、うろうろとしていたが、椅子に座っていられるようになった。
・話している時も目が合うようになり、言っていることが理解できている様子が見られる。
・学校に楽しく行くことができ、修学旅行もトラブルなく行けた。
・体温測定はできるが、血圧測定はできない。

腸内フローラバランス 比較データ

評価・考察

移植総評・考察:
移植により便通がましになった。意思疎通はないが、声かけに耳を傾けることもあることもあり、多動性も少しましになった感じがする。以前よりも指示が通りやすくなり、物分かりが良くなった感じがするとのこと。睡眠もある程度とれている。ただし、劇的な改善としては認めにくく、多動傾向は変わっていない。

以上

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