自閉スペクトラム症　5歳男児 -糞便微生物叢移植症例紹介

2024年08月28日
医療法人悠亜会　かわい内科クリニック自閉スペクトラム症

症例紹介　5歳男児自閉スペクトラム症

要約

移植後には、初めての課題や未知の行事を嫌がらずに取り組むことができ、イベントに対する不安感が減少した。また、集団行動がかなりできるようになり、どのお友達にでも話しかけるようになった。これらの様子から、家族も変化を実感される結果が得られた。

基本情報

患者様：	5歳男児
主治医：	医療法人悠亜会かわい内科クリニック
移植担当医療機関：	医療法人悠亜会かわい内科クリニック

初診時情報

病名：	自閉スペクトラム症
発症時期：	2020年7月(診断)
移植目的：	疾患の改善
主訴：	・不安感が強い・感覚過敏（特に聴覚過敏）あり・集団行動ができない・同年代の子供と遊べない・語彙力はあるがコミュニケーションが苦手
既往歴：	集団療育と個別療育に通っている。以前あった癇癪は減り、同年代の子供への興味も少しでてきた。ただ、不安感がとても強く、初めての場所やいつもと異なる状況などを嫌がる。
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など：	活性生菌製剤等

移植情報

移植期間：	2023/6/13〜2023/7/18
移植回数：	移植6回

移植初回〜移植終了までの変化：

【1回目移植時】
エレベーターで行く必要がある2階の処置室まで怖くて行けない。
処置室では「うんち入れるの嫌。お話がしたい。」と駄々をこねる。
皆で押さえつけてカテーテル挿入し菌液注入。
終了後は「もう大丈夫」と答える。

【2回目移植時】
今回は「菌液入れる。大丈夫。」と自身で言う。
抵抗なし。
お母様より、不安感が減った感じがするとのこと。
1回目移植時翌日が一番効果あった印象とのこと。

【3回目移植時】
昨日、今日と排便なし。
もともと便秘だったが、移植直後は毎日出ていた。
お母様より、過敏性が和らいでいる感じがするとのこと。

【4回目移植時】
ご両親より「不安感が減ってきた感じ」。
こちらの呼びかけに素直に答える。

【5回目移植時】
お母様より、よく喋り会話しようとする感じある、とのこと。
不安感が減ったのか、寝ているときにしかできなかった散髪ができた。

【6回目移植時】
移植前日、当日と排便なし。
問題無く移植終了。

移植終了後の変化：

・移植前の便秘の際は、便が焦げ臭い臭いがあったが、無くなった。
・心音・腸音・呼吸音も正常になった。
・不安感の軽減はあったものの、未知のものに対する不安感は無くなってはいない。
・ゲーズファインダー検査を施行するも、画面の内容、音に恐怖感を覚え、ほとんど計測できないまま終了となった。