腸内フローラ移植・症例紹介

潰瘍性大腸炎 60代男性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 60代男性 潰瘍性大腸炎

要約

潰瘍性大腸炎(直腸型)軽度下血、下痢に対して行った腸内フローラ移植。
6回施行するも終了後6ヶ月時点で著変なし。内視鏡検査も変化なかった。

基本情報

患者様:60代男性
主治医:ルークス芦屋クリニック
移植担当医療機関:ルークス芦屋クリニック

初診時情報

病名:潰瘍性大腸炎
発症時:2017年
移植目的:症状の改善
主要症状:もともと飲酒機会も多く、やや軟便傾向。2年前より下痢続き出血伴うようになる。ひどい時は数回/時間トイレに行くも多くはガスや粘液のみのことも。CFにて上記診断される。内服にて現在は4回/日程度の普通便。出血はなし。
服薬中の薬:コロネル錠、ミヤBM錠、ビオフェルミン配合散、アサコール錠
既往歴:ポリープ切除:H29年、11月、胃潰瘍
経緯、家族歴、生活習慣など:娘の勧めもあり移植を希望される。
父:潰瘍性大腸炎、脳梗塞、高血圧

移植情報

移植期間:2019年3月13日〜2019年6月13日
移植回数:6回
移植初回〜移植終了までの変化:
移植後便通改善するが、しばらくすると下痢傾向。
移植後しばらくは倦怠感+
6ヶ月後のフォロー時点で症状変化なし(下血あり内服欠かせない)

【1回目移植後問診】
忙しく働いておられるが、体調はまずまず良好の様子。還元電子15分施行するが、特に変化は自覚なし。フローラ移植時は気分不良や腹痛などの腹部症状はなし。移植後の注意事項など説明した。理解力問題なし。

【2回目移植時問診】
排便は普段と移植後と特に変わりない様子。体調は良好。

【3回目移植時問診】
気分不良なし。腸蠕動音良好。移植中も後も出血や疼痛、腹部症状などなし。
移植を始めてからの変化は体感としてはあまり感じていない様子。

【4回目移植時問診】
固形便になるがしばらくするとまた軟便傾向にある。
相変わらず忙しくしている。食事は気を付けている。

【5回目移植時問診】
便の性状は大きく変化なく、1日に3回前後軟便あり。
腹痛などないが便に少量血液が付着していることが何度かあったとのこと。
精神面などは特に変化はあまり感じないと話される。食欲なども特に変わりない様子。

【6回目移植時問診】
特に変化なし。薬を飲み、血便なし。

【6回目フォローアップ】
あまり変わりなし。薬をやめたらまた下血した。
移植終了後の変化:
下血は続き内服欠かせない。内視鏡検査(2019/12)でも直腸に炎症認め、改善は認めず。

評価・考察

移植評価:変化なし

腸内フローラバランス 比較データ

本人の体感(アンケートより):
回答なし
有害事象の有無:
あり(軽度)
移植総評・考察:
明らかな効果は見られなかった

以上


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