腸内フローラ移植・症例紹介

便秘症 50代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 50代女性(中国国籍) 便秘症(経過観察中)

要約

便秘症状の改善目的にて、本年8月当院外来受診。 腸内フローラバランス検査実施後、1日2回移植を基本に移植を6回実施。 移植中便秘症状の軽度改善見られていたが、同時に下痢症状も認められる状況にて移植終了。移植後年内に、フローラバランス検査を実施予定。

基本情報

患者様:50代 女性
主治医:医療法人社団桜伸会 サンテクリニック
移植担当医療機関:医療法人社団桜伸会 サンテクリニック

初診時情報

病名:便秘症
発症時:約20年前
移植目的:便秘
主訴:便秘
服薬中の薬:なし
既往歴:2000年子宮嚢胞切除 26歳よりHBVキャリアといわれているが、肝機能障害なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:20年ほど前より便秘症状に悩まされている。2019.8月当院外来受診。フローラバランス検査実施後、腸内フローラ移植申し込み。 家族歴:父親に食道がん DHEA利用中

移植情報

移植期間:2019年10月8日〜2019年10月11日
移植回数:6回
移植初回〜移植終了までの変化:
移植中便秘症状の改善がみられた。

【1回目移植時問診】
便秘で2日に1回しか便がでないと訴えあり。

【2回目移植時問診】
移植後水っぽい便が1回出た。腹部症状なし。

【3回目移植時問診】
腹部症状なし。

【4回目移植時問診】
移植後すぐにトイレにいきたくなった。腹部症状なし。

【5回目移植時問診】
腹部症状なし。

【6回目移植問診時】
腹部症状なし。排便なし。
移植終了後の変化:
移植後、フローラバランス検査実施予定。現在フォロー中。

評価・考察

移植評価:症状の軽度改善
移植前後フローラバランス検査の変化:移植後検査未実施
血液検査の変化:未実施
POMS2スコア変化:検査なし

<腸内フローラバランス 移植前データ>

本人の体感(アンケートより):
症状軽度改善〜変化なし
有害事象の有無:
あり(軽度)
移植総評・考察:
便秘症状は改善傾向を認められているが、下痢も見られ便通の状況は安定しているとはいえない。 移植前のフローラバランス検査では、フローラの多様性が乏しく、食生活習慣にも改善必要点があるので、今後それらがいかに改善されるかがフローラバランス改善と便通正常化にとって重要と考えられる。

以上


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