腸内フローラ移植・症例紹介

アレルギー花粉症 30代男性 -糞便微生物叢移植症例紹介

要約

10年前発症し、7年前より症状憎悪している花粉症症状改善を目的に移植申し込み。移植は2019.12.23, 25 および2020.1.10の計3回実施。実施後2週間時点で再来院。すでに花粉症症状出現していて、例年と変化はなく今のところ効果は感じられていないとのこと。2週間後の定期検査実施ずみ。

基本情報

患者様: 30代 男性
主治医: 医療法人社団桜伸会 サンテクリニック
移植担当医療機関: 医療法人社団桜伸会 サンテクリニック

初診時情報

病名: アレルギー/花粉症
発症時: 約10年前
移植目的: 病名に記載の症状の改善
主訴: 10年前より花粉症発症。7年前より症状憎悪。2016-2018にかけて舌下免疫療法も行ったが改善なし。最近では花粉症時期になると沖縄などに避難している。症状は咽頭症状、眼症状主体。鼻炎症状は弱い。
服薬中の薬: 抗アレルギー薬(詳細不明)
既往歴: 10歳の時 虫垂炎
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: 乳酸菌サプリ

移植情報

移植期間: 2019年12月23日〜2020年1月10日
移植回数: 3回
移植初回〜移植終了までの変化:
【1回目移植時問診】 腹部症状なし トラブルなし 【2回目移植時問診】 腹部症状なし トラブルなし 前回移植後直後は緩めの便でしたが、そのあとは普通の硬さの便が昨日、今日と一日2~3回ずつ出てます。睡眠や運動は気を付けています。 【3回目移植時問診】 腹部症状なし トラブルなし 症状変わりなし
移植終了後の変化:
現在フォロー中

評価・考察

移植評価: 特になし。
移植前後フローラバランス検査の変化:
Other分類できない割合が多めで、腸内フローラの多様性が低めです。
CクラスターⅨとCクラスターⅩⅣabの割合はメンタル面からも1:4が理想ですが1:9とⅩⅣabが高めとなっていますが
エクオール産生菌(組織再生)、CクラスターⅪ、ⅩⅤ(炎症反応)の検出から急性期炎症がうかがわれ、その免疫寛容状態を保つためCクラスターⅩⅣabの割合が高いかもわかりません。
また虫垂炎を患ったことがあるということですが、
虫垂は腸管免疫(IgA)を司る器官で菌叢バランスに影響を与えます。虫垂にダメージがあるため、腸管バリアが十分でなく先の炎症の原因になっている可能性があります。
故に腸管ダメージにより免疫寛容が十分に行えないため、アレルギー反応を抑えられない原因の可能性があります。
血液検査の変化: 検査中
POMS2スコア変化: 検査中
<腸内フローラバランス 移 <腸内フローラバランス 移植後データ>
本人の体感(アンケートより):
依頼中
有害事象の有無:
なし
移植総評・考察:
花粉症症状はすでに出現しており、移植後の変化は現状自覚されていない。これから花粉症の季節が本格化するので、今後の症状変化について経過観察必要。
以上
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