潰瘍性大腸炎 60代男性 -糞便微生物叢移植症例紹介
症例紹介 60代男性 潰瘍性大腸炎(経過観察中)
要約
2018年1月から血便、腹痛あり。症状持続し2018年11月に大腸内視鏡検査等で潰瘍性大炎と診断された。リアルダ4800mg開始したが、症状持続し体重も4kg減少あるため、腸内フローラ移植を希望した。 ①2019年8月26日、②8月28日、③9月2日、④9月9日、⑤9月18日、⑥9月25日と6回の移植を行った。 徐々に腹痛、下痢がなくなり、血便もなくなった。 移植に伴う副作用も認められなかった。
基本情報
患者様: | 60代 男性 |
主治医: | 医療法人桂名会 木村病院 |
移植担当医療機関: | 医療法人桂名会 木村病院 |
初診時情報
病名: | 潰瘍性大腸炎 |
発症時: | 2018年1月 |
移植目的: | 下痢・腹痛、血便 |
主訴: | 下痢・腹痛 |
服薬中の薬: | リアルダ4800mg/日 |
既往歴: | 高血圧 |
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: | 他院で潰瘍性大腸炎と診断されていたが、症状持続し、ホームページで腸内フローラ移植臨床研究会を知って来院された。 |
移植情報
移植期間: | 2019年8月26日〜2019年9月25日 |
移植回数: | 6回 |
移植初回〜移植終了までの変化: |
徐々に腹痛、下痢がなくなり、血便もなくなった。 【1回目移植時問診】 食事をすると、下腹部痛、軟便あり。 【2回目移植時問診】 前回から特に変わりなし。 【3回目移植時問診】 特に変わりなし 食事を肉食も開始しているが、腹痛、下痢なし。 【4回目移植時問診】 腹痛もなく、食欲も出てきた。 【5回目移植時問診】 腹痛なし、便はやや軟らかい感じ 食事は揚げ物は食べていないが、徐々に普通食にしている。 【6回目移植時問診】 下痢なし、腹痛なし。 |
移植終了後の変化: |
終了後、やや軟便で2回/日の時もあるが苦にならない。 食事は家族と同じものが食べれるようになった。 |
評価・考察
移植評価: | 症状の明らかな改善 |
移植前後フローラバランス検査の変化: | 移植後検査結果待ち |
血液検査の変化: | 移植後検査結果待ち |
POMS2スコア変化: | 移植後検査結果待ち |
<腸内フローラバランス 移植前後比較データ>
本人の体感(アンケートより): |
現在なし |
有害事象の有無: |
なし |
移植総評・考察: |
リアルダ4800mg服用は継続しているが、下痢、腹痛、血便はなくなり腸内フローラ移植が極めて有用であった症例である。 |
以上
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