腸内フローラ移植・症例紹介

糞便微生物叢移植 症例紹介|自閉スペクトラム症・5歳男児

症例紹介 5歳男児 自閉スペクトラム症

要約

移植30週後の変化:叫ぶことがなくなったのが一番大きい変化。パニックにならなくなった。言うことを聞くようになりつつある。偏食に関しては大きく変化はなかったが、野菜が食べられるようになった。友だちと遊べるようになった一方で、挨拶はまだ不十分である。

基本情報

患者様:5歳男児
主治医:医療法人ふたまた会 ナチュラルアートクリニック
移植担当医療機関:医療法人ふたまた会 ナチュラルアートクリニック

初診時情報

病名:自閉スペクトラム症
発症時期:2歳頃
移植目的:疾患の改善
主訴:・偏食
・コミュニケーションがとりにくい
・こだわり
・癇癪
・選択性緘黙
・体幹が弱い
既往歴:なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:サプリメント等

移植情報

移植期間:2023/8/25〜2023/9/29
移植回数:移植6回
移植初回〜移植終了までの変化:
【1回目移植時】
母親に問診中「話しちゃダメ!しりとりするの!」と言い、看護師と母親が話すのを嫌がり、阻止しようとする。
問診の合間でしりとりしているときも、母「じゃあ、ごみばこ」、本人「だめ!ちがう!」と、しりとりの始まりの言葉にこだわって少し癇癪を起こしていた。
また、看護師と母親の会話が終わらないのを嫌がり「ギャーーー」と大きな声で何度も叫んで、お母さんの顔を叩き、しばらく泣きやまなかった。
クリニックのおもちゃを使ってスタッフと遊び、なんとか機嫌が治る。
バイタル測定は「いやだ!ノー!」と拒否していたが、母親の膝の上でなんとか実施できた。
腸グル音微弱。

【2回目移植時】
移植の部屋へ移動し、バイタル測定。
左側臥位の体勢になる時等に泣いて「しない!いやだ!」「ノー!」と叫び何度か拒否をしていた。
挿入後は動画を見ながらおとなしくでき、移植完了。
体位変換は母親のサポートのもと、完了した。

【3回目移植時】
2,3回目移植後、母親より下記変化が感じられているとの報告があった。
・排便毎日あり便秘改善。
・癇癪は半分くらいに減った。
・我慢強くなった。
・良く寝るようになった。
・2〜3ヶ月前からお肉を少し食べ始めたが、最近は沢山食べられるようになった。
問診時、背中、手足の皮膚発疹アレルギーを確認。目の下のくまあり。

【4回目移植時】
移植は、体勢を整えるところから嫌がり抵抗した。
看護師2人と母親で体を固定、脱衣、体位変換させなんとか実施できた。

【5回目移植時】
バイタル測定から受け入れが良く、移植もスムーズだった。
チューブ挿入時に表情をしかめる程度で以前のような拒絶はなかった。
ポージングは、側臥位になりたがるため介助を要した。

【6回目移植時】
「横になって」と声をかけると、だらだらとベッドに横になってくれ、看護師側で多少体勢を整えるだけで済んだ。
ズボンやパンツを下ろすのも嫌がらない。
カテーテル挿入時はお尻に強く力を入れていたが、嫌がる様子はなかった。
移植終了後の体位変換も今までで一番スムーズで、声掛けだけで体勢をとってくれた。
「いやだ!」と叫ぶことなくずっと落ち着いていた。
1回目移植時と比べると、クリニックでの態度にかなりの改善がみられた。
最初は所要時間が1時間半だったのに対し、40分程度で完了できるようになった。

【移植4回目〜6回目】
・排便:毎日あった。硬い便~軟らかい便、茶色、においは臭かったが、徐々に弱くなった。
 後半につれ、密度の詰まった便が出るようになった。
・癇癪:減ってきている。切り替えに関しては移植4回目頃では母の促しで仕方なく動く感じであったが、徐々に切り替えが早くなった。
 叫ぶことが減り、騒いでも声が前より小さくなっている。
 我慢ができるようになった。機嫌が良くなった。
・体幹:目的がないときに座っているのが苦手(変化なし)。
・コミュニケーション:(調子が良い時であれば)子供同士の会話は以前から問題ない。
 母親との会話で時々返事がないことがあったが、以前よりキャッチボールできるようになった。
・バイタル測定:動画を見せながら行うと、嫌がらずに腕や指で測定できた。
移植終了後の変化:
・腸音良好。風邪も引かなくなった。
・元気で楽しくやっている。返事もするようになった。
・お友達とコミュニケーションが取れるようになり、学校の先生もその変化に喜んでいた。
・偏食は治らない。食事の種類が増えない。
・怒りは減り、ほぼなくなった。家で過ごしやすくなった。
・移植中、便がよく出ていた。
・移植後は一度便秘になったが、今は出ている。寒い時期は水分摂取減ったためか便秘だった。
・叫ぶことが一切なくなった。移植直後は全然変わらなかったが、徐々に叫ばなくなったことに気がついた。以前は嫌なことがあると「キーーー」とパニックになっていた。転んで鉄棒にぶつけたときは泣きながら叫んでいたが、それは痛いからで理由が分かる叫びだった。積み木が崩れた、織物が上手に織れないなど、自分が上手くできないことに対して叫んでいた。現在もそういう傾向はあるが、叫ぶ頻度が少なくなったので指示がしやすい。
・ある程度言うことを聞くようになった。
・偏食は治らない。餃子を食べてくれるようになったので野菜を入れられるようになった。まだまだ嫌いなものが多い。 
・友達と遊べるようになった。仲良し4人組ができ、喧嘩もできるようになった。
・挨拶が恥ずかしい様子。友達に「ばいばい」はできるが、先生に「おはよう」と言うのが難しい。挨拶することは頭では分かっているようだが、挨拶しないと相手が傷つくことは分かっていない。

腸内フローラバランス 比較データ

評価・考察

移植総評・考察:
1回目移植後3日目より変化出現。あまり怒らなくなり、偏食が少し緩和。
最終的に偏食は大きくは変わらないが、食べられるものは増え、嫌なものでも目の前にあることは許容できるようになった。
変化の出現は早かったが、その後の変化のスピードはゆっくり。変化の程度もまずまず。
まだまだ良くなる余地はあり。
移植により、中等度の改善。

以上

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