腸内フローラ移植・症例紹介

糞便微生物叢移植 症例紹介|自閉スペクトラム症・6歳女児

症例紹介 6歳女児 自閉スペクトラム症

基本情報

患者様:6歳女児
主治医:医療法人ふたまた会 ナチュラルアートクリニック
移植担当医療機関:医療法人ふたまた会 ナチュラルアートクリニック

初診時情報

病名:自閉スペクトラム症
発症時期:2018年4月
移植目的:・疾患の改善
・便秘
主訴:知的障害を伴う自閉スペクトラム症
既往歴:診断後から療育(個別・集団など)に通っていた。
現在は特別支援学校に通っている。
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:抗精神病剤、滴剤型緩下剤、サプリメント等

移植情報

移植期間:2023/08/25〜2025/09/05
移植回数:移植6回+追加移植2回
移植初回〜移植終了までの変化:
【事前診察】
(保護者より)
自然正常分娩。
言葉の遅れがあり、2歳半で自閉症と診断された。
その後、療育に通い、現在は特別支援学校に通学中。
眠れないことがきっかけで5歳から抗精神病剤を服用していたが、現在は中止しても眠れている。
意味なく怒り出すことがある。
単語を少し話す。
下剤を服用して排便させている。

身長114cm、体重19.9kg、体温36.8℃。
血圧等は測定できず。
指示や理解は少しあり、「お名前は?」に答える。
他は反応に乏しい。

【1回目移植時問診】
(保護者より)
下剤を飲んでいるが、便は3日に1回。

体温36.2℃。
血圧などは測定できず。
暴れるためシリンジにて施行。
移植が終わってから「ありがとう」と片言で話してくれる。

【2回目移植時問診】
症状の変化なし。
体温36.5℃。
体温以外は測定不可。

【3回目移植時問診】
(保護者より)
4日前に「38℃の熱が出た」と園から連絡あり。
帰宅後に水分などを摂取させると解熱した。薬は服用していない。
便に関しては、下剤を飲んでも出ないときは坐薬を使っていたが、最近は坐薬を使わなくなった。
以前は下剤で出している感じだったが、最近は便意を感じるようになったので移植の効果かと感じている。
下剤の使用頻度も減ってきている。

【4回目移植時問診】
(保護者より)
下剤を飲んでも便が出ていない状態。
出そうで出ないので機嫌が悪い。

体温36.6℃。
本日も移植を「怖い」「嫌だ」と言っていたが、始めると案外力を抜いてじっとしていた。

【5回目移植時問診】
体温36.5℃。
今日は嫌がらずにすんなりと診察室に入ってきた。
おなかの音も聞かせてくれた。
移植時に少し抵抗したが、移植中は抵抗なくスムーズに施行できた。

【6回目移植時問診】
(保護者より)
落ち着きが出てきたように思う。
以前のように気に入らなかったら爆発するようなことはなくなった。
便は変わらないが、出方は以前よりもスムーズになったように思う。

体温36.5℃。
診察室での様子は、以前よりは機嫌が悪いわけではないが、目は合わない。

【6回目移植2週間後】
(保護者より)
便秘はあるが坐薬を使う回数が減ってきた。
機嫌が悪い日も減ってきている。
たまにバナナ状の便が出ることもある。

体温35.9℃。
診察室にも落ち着いて入って待てるようになってきている。

【6回目移植12週間後】
(保護者より)
下剤は使っているが頻度が減っており、坐薬は使わなくなった。
便は硬くなっているが自力で排便しようとしている。

体温36.2℃。
物分かりもよくなってきて、久しぶりの診察でも機嫌がよい。
待つこともできている。
SpO2は指を出してくれたが測定できなかった。
血圧は測定してもらえず。

【6回目移植24週間後】
(保護者より)
先月、インフルエンザにかかり高熱で熱性けいれんになった。
食事がしばらく摂れず便も全く出なかったが、今は回復して便は1〜2日に1回コロコロ便。
以前は下剤を使って気張ることなく出していたが、今は下剤の量を減らして、少し硬いが気張って出すようになった。
理解や多少の言葉は出ていたが、最近はお手伝いもするようになった。

体温36.8℃。
かおTVは少し集中できたが動くことが多く、女性の顔は怖いのか視線をそらしていた。

【7回目移植時問診】
(保護者より)
前回移植後、最初は便秘もなく調子よかったが、最近また便秘気味になってきた。
今回は偏食の改善を希望している。
偏食に関しては移植後も変化なし。
昼は全く食べていない。
給食も食べず水分も摂らない。
食べるものは5パターン(うどん、フライドポテト、ラーメン、チャーハンなど)と決まっており、それをルーティンで食べている。
少しでも違うと手をつけることもしない。
飲み物は頑張って飲むようにしているが、水も麦茶も好きではない。
学校では好きなものを飲んでもよいと言われている。
「これだけは食べられる」というものが見つかるといいと思っている。
睡眠はとれており、自分で寝られるようにもなった。
話すのが上手になってきた。
排便は、出ない日は下剤を使って毎日出している。
自力では少量。
下剤を使ってもどうしても出ない時に浣腸している。 

移植中、最初は暴れていたが、徐々に落ち着き、母に添い寝をしてもらいなんとか終了。
移植後血圧測定不可。
移植後は便秘の改善がみられているが、時間が経過すると元に戻ってしまう。
偏食の改善はみられていないため、今後の変化を見ていく必要あり。

【8回目移植時問診】
(患者さんより)
無言の後に「あーーきゃーー」と発する。

(保護者より)
食事は前回の移植時と変わらず、かなり偏っている。
コミュニケーション面では、自分の要求を伝えてくれるようになった。
発語は、長めのセリフを言ったり歌を歌ったり、口にする回数が増えている。
便秘は良くなってきていた。
コロコロ便が1日に1回は出る。
バナナ状も時々出る。
以前のように3〜4日便が出ないことはなくなった。
下剤も使っていない。
今回の移植で偏食が改善されることを希望している。

移植前は動画を見たりアンパンマンの指人形で遊んでいた。
移植開始時、母親と一緒に左側臥位になってもらうが抵抗あり。
高い声で叫ぶが、しばらくして落ち着き、母親の声に合わせて「かえるの歌」を口ずさんでいた。
前回の移植から便秘は改善してきた様子。
偏食は変わらず。

腸内フローラバランス 比較データ

評価・考察

移植評価:症状の軽度改善
有害事象の有無:なし
移植評価:
簡単な言葉は理解できるが、一方的なことが多くコミュニケーションはとりにくい。
移植前は不安感や機嫌の悪さから泣きわめくことが多かったが、移植後、ある程度の聞き分けが良くなった。

以上

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