腸内フローラ移植・症例紹介

糞便微生物叢移植 症例紹介|自閉スペクトラム症・4歳男児

症例紹介 4歳男児 自閉スペクトラム症

基本情報

患者様:4歳男児
主治医:医療法人ふたまた会 ナチュラルアートクリニック
移植担当医療機関:医療法人ふたまた会 ナチュラルアートクリニック

初診時情報

病名:自閉スペクトラム症
発症時期:2020年7月
移植目的:疾患の改善
主訴:知的障害を伴う自閉スペクトラム症
既往歴:なし
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:なし

移植情報

移植期間:2023/08/25〜2025/09/05
移植回数:移植6回+追加移植2回
移植初回〜移植終了までの変化:
【事前診察】
(保護者より)
正常自然分娩で生まれる。
1歳半の時に発達外来にかかり、1歳11か月で自閉症と診断される。
3歳から療育に通う。
喃語しか話せない。奇声が多い。
状況で判断をしているので、理解がどこまでできているかわからない。 
自分の要求が強くなってきている。 
コミュニケーションはとりにくい。
  
便は毎日出ているが硬め。 
身長108.5cm、体重16.7kg。
血圧・SpO2は測定できず。

【1回目移植時問診】
(保護者より)
便は毎日出ているが硬め。

体温36.6℃。
血圧等は測定できず。
暴れるためシリンジで注入。
注入している間は大人しくできていた。

【2回目移植時問診】
(保護者より)
便は毎日出ているが、2日出なかった時があった。
症状の変わりはない。

体温37.2℃。
移植中、抵抗する力が弱く、声は出しているが比較的大人しくしていた。

【3回目移植時問診】
(保護者より)
以前から少し鼻水が出ていたため点鼻薬を使用しており、改善している。
便は2日に1回になることも出てきたが、出るときは1日2回バナナ便が出る。

体温36.4℃。(姉の体温36.7℃。)
移植中はかなり大人しくできるようになった。

【4回目移植時問診】
体温36.5℃。
初めの時はうろうろしていたが、段々と移植の時も嫌がらずに笑顔が見られるようになった。
今回は診察室に入るとベッドに上がってじっと待っていた。
物分かりが良くなってきたように思う。
移植中も笑顔が見られていた。

【5回目移植時問診】
(保護者より)
移植前から比べ、言葉の理解が見られ始めている。

体温36.6℃。
大人しく診察室に入って待つことができた。
奇声も初めの頃よりかなり減っている。
移植時もほとんど抵抗なく、スムーズに行えた。

【6回目移植時問診】
(保護者より)
便通は悪くなり、2日に1回やや硬めのものが2回出るようになった。

体温36.8℃。
クリニックに着いたら率先して診察室に入り、静かに待っている。
理解がかなり進んで、相手の様子をうかがうようにもなっている。
診察室でも目が合うようになり、私の顔をじっとのぞき込むように見ている。
お腹はやわらかく、ガスが多くなることもない。

【6回目移植2週間後】
(保護者より)
便通が悪くなり、3日に1回くらいの頻度。
下剤を使って出すこともある。

体温36.7℃。
かなり落ち着いてきて、周りの状況判断もできるようになってきている。
奇声も出なくなり、目も合うようになっている。

【6回目移植12週間後】
(保護者より)
ものの理解が増えてきて、自分の意思が出るようになってきている。
前は少しぼーっとしている感じだった。

体温36.5℃。体温以外の測定はできなかった。
奇声は院内では見られることなく、大人しく待つことができている。
便は下剤を使うことなく出るようになっている。

【6回目移植24週間後】
体温36.8℃。
理解がかなりできるようになって状況把握もできているが、多動傾向ではある。
言葉も自分なりに少し出ている。
状況から我慢することもできるようになっている。
ただ、眠かったのか機嫌が悪くなり、顔テレビについてはできなかった。
目線については移植前より合うようになってきたが、今回はこれ以上できない状態のため検査を断念した。

【7回目移植時問診】
(患者さんより)
あーうーわぁー
いやーーー

(保護者より)
前回移植後、何も変化はなかった。 
今回の追加移植で少しでも落ち着いてくれたらいいと思っている。 
まだ言葉が出ない。 
言っていることは理解していると感じる。 
「わーうー」などではなく、言葉でコミュニケーションが取れるようになってほしい。
暇な時間が苦手。 
やることをいろいろ探すも、何もやることがないと感情的になることがある。
待ち時間中もじっとしていられず動いている。 
食事は自分で食べられそうなものを食べている。 
給食も食べられている。 
麦茶も飲める。 
夜はだいぶ寝られるようになった。
学校に行くようになって活動も増えたからもあると思う。
学校は楽しい。

バイタル測定不可。
移植中は抵抗があるも、母親に添い寝をされ、なだめられながら暴れることなく何とか終了した。
言葉はなく喃語であるが、こちらの話している内容は分かっている様子。
前回の移植から変化はみられず。
今回の移植で少しでも改善がみられるか、経過を追っていく。

【8回目移植時問診】
(患者さんより)
あーーーわーーーー

(保護者より)
偏食は前回移植時と比べて少しは良くなった。
家で食べたことがないものを、給食で少しずつ食べることはあるが、学校で食べても家では食べないことが多い。
自分の意思を表情などで少し表現したりできるようになった。
変わらず落ち着きがない。
学校ではわりと落ち着いているが、家では騒いでいる。
イライラすると頭をぶつけたりする。
きっかけが分かるときもあるが、前の出来事を引きずってイライラすることがある。
家でも学校でも、言っていることが理解できるようになった。
やってはいけない事もわかっている。
会話はないが、少しずつ出る音が増えてきている気がする。
怒っている時と嬉しい時とで音が変わっている。
自分で自分の機嫌が取れるようになってもらうのが理想。
学校では人の様子をうかがったりできるようになった。
怒るときも、以前よりは少し抑えているように感じる。
排便状況は3〜4日出ないこともある。
出る時はバナナ状。

バイタル測定時、血圧計を巻いても外してしまい、再度巻き直そうとすると興奮してしまい測定できず。
移植時もお母さんが抱きついて体位を取りながら実施。
体を大きくひねったり、移植チューブを引っ張ろうとする様子あり。
暴れてしまい、看護師も本人の腕を支えながら実施した。
ご両親によると、以前より体も大きくなったこともあり、かなり大変だったとのこと。
以前より周りの様子を見られるようになったとのことだが、まだ興奮性や落ち着きのなさを気にされている。
経過を追っていく。

腸内フローラバランス 比較データ

評価・考察

移植評価:症状の中程度の改善
有害事象の有無:なし
移植評価:
移植前は多動が目立ち、目も合わせず一方的に行動することが多かった。
移植するにつれて多動傾向は減ってきて、診察室の椅子でじっと待つことができるようになった。
また、目の合う回数が増え、言っていることの理解が増えてきたように思われる。

以上

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