潰瘍性大腸炎、60代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介
症例紹介 60代女性 潰瘍性大腸炎
要約
下痢、血便、腹痛を認めており、皮膚にざらつきあり。移植1回目より有害事象なく、前記症状の軽快消失を認めた。
基本情報
| 患者様: | 60代女性 |
| 主治医: | 医療法人LAGOM ライフクリニック蓼科 |
| 移植担当医療機関: | 医療法人LAGOM ライフクリニック蓼科 |
初診時情報
| 病名: | 潰瘍性大腸炎 |
| 移植目的: | 疾患の改善 |
| 主訴: | 2020年1月に受けた内視鏡検査結果では、まだ炎症があった。その後2週間くらいの間に3~4回粘液に血がついていた。その後は下痢、血便、粘液もなく、おならも出て、トイレも我慢出来るようになった。 |
| 既往歴: | 2011年12月に潰瘍性大腸炎との診断を受け、処方薬で一応収まったが、その後2月に再発し、直腸の20センチのところが炎症になり、5か月で体重が10キロ減った。そこで病気の大変さを実感し、食べ物に注意し、病院を変えてみたところ、座薬が減り2年ほどで治った。その後は、自己判断で1年間薬を飲まずに過ごした。 2015年9月に再発して、他院にて治療を受けている。 |
| 経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: | 潰瘍性大腸炎治療剤 |
移植情報
| 移植期間: | 2020/11/17~2021/3/17 |
| 移植回数: | 移植6回 |
| 移植初回〜移植終了までの変化: |
| 【1回目移植時問診】 (患者さんより)受診以降調子は良かったが、時折揚げ物などをとった際に調子が悪くなることがあった。排便の状態は良好。 【2回目移植時問診】 (患者さんより)1回目移植後からかなり調子が良い。服用している薬が自分に合っていないような感じがあり、実際に副作用(手の痺れ等)が出始めたので、服用をやめた。 移植後、排便回数減少、形も良好。 【3回目移植時問診】 (患者さんより)前回の移植後からかなり精神的にも明るくなった。おなかの調子も良く、通常時3回程度の排便が1・2回という日もあった。よく眠れるようになり、座薬も使用しない頻度が増えた。 【4回目移植時問診】 (患者さんより)前回移植後、調子は良かった。薬を減らしたが、ストレスで腹痛、出血が少量あった。便は普通。座薬を入れたところ5日くらいで落ち着いた。 焼肉を食べたところ、ガスと一緒に便が少し出たり、腹部に違和感があったとのこと。 【5回目移植時問診】 (患者さんより)お腹の状態がかなり落ち着いてきている。出血や粘液もなし。2月からジムに週4回ほど通い始めたが、便の不安などが無くなり生活が向上した。4回目移植時に話した腹痛や出血などは悪いものを出していたのかな、とポジティブに捉えている。 【6回目移植時問診】 (患者さんより)出かける際も、便の心配がなくなった。とても精神面で楽になったし調子がいい。皮膚(肌)もとてもモチモチ・ツルツルになっていて驚いた。 |
腸内フローラバランス 比較データ

| 本人の体感(アンケートより): | 回答なし |
評価・考察
| 移植評価: | 症状の明らかな改善 |
| 有害事象の有無: | なし |
| 移植終了後の変化: |
| 下痢改善、皮膚症状の改善、その他移植目的の達成 |
以上
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