学術大会

【開催報告】第3回総会「腸内細菌から人類への手紙」を開催いたしました

2019年9月23(月祝)、一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会の第3回総会を開催しました。

大変多くの皆様にお集まりいただき、基礎研究発表や症例報告、基調講演、熱心なディスカッションが行われました。

第3回総会オープニング動画 私たちのこれまでとこれから

開会の挨拶

医療法人仁善会 田中クリニック 田中善先生による「腸内環境の重要性 〜開会の挨拶にかえて〜」のご挨拶がありました。

腸内フローラ移植臨床研究会

本発表の内容につきましては、こちらの記事にて詳細を公開しております。

午前の部 前半 基礎研究発表

前半の部の基礎研究発表では、研究会専属のシンバイオシス研究所より、腸内細菌の基礎研究内容や実験報告、ドナーバンク設立報告などを行いました。

生命の進化と腸内フローラ移植

シンバイオシス研究所清水
シンバイオシス研究所 上席研究員 清水真

シンバイオシス研究所 上席研究員 清水真からは、私たち生命の進化の歴史に沿って、細菌と人類が共生するに至るまでをお話いたしました。また、全世界で急ピッチで研究が進められている腸内フローラ移植について、世界中の論文を紹介しながら「最適解を探る」といった内容もございました。

最後に、この度国際的に公開となった出願中の特許内容についても、移植菌液へのこだわりとともに皆様にお伝えしました。

まさに職人、といった内容で、笑いあり真面目ありのトップバッターとなりました。

本発表の内容につきましては、シンバイオシス研究所のサイトにて全文を公開しています。
生命の進化と腸内フローラ移植[第3回総会発表内容]

動画公開中!

動物実験とドナーバンク設立・運営に関して

シンバイオシス研究所
シンバイオシス研究所 総括研究員 岡洋一郎

続いてシンバイオシス研究所 総括研究員 岡洋一郎からは、1型糖尿病マウスを使用した比較実験、ならびに国内初の多施設共有型ドナーバンク「Japanbiome」の運営について発表を行いました。

本発表の内容につきましては、シンバイオシス研究所のサイトにて2本の記事に分けて全文を公開しています。
1型糖尿病マウスにおけるFMTの治療効果の比較検証[第3回総会発表内容]
便バンクJapanbiomeについて臨床検査技師が語る[第3回総会発表内容]

動画公開中!

午前の部 後半 症例発表

続く症例発表では、腸内フローラ移植臨床研究会に参加し、すでに全国で腸内フローラ移植を臨床に応用している臨床医による症例発表がありました。

UB-FMTにより改善を認めた過敏性腸症候群3症例

かわい内科クリニック
医療法人悠亜会 かわい内科クリニック 川井勇一先生

医療法人悠亜会 かわい内科クリニック 川井勇一先生からは、過敏性腸症候群に苦しんでおられた患者様が腸内フローラ移植によって改善された症例の発表がありました。

便の性状や排便回数がわかりやすく改善され、またご本人の体感も非常に良好な様子が伝わってきました。

本発表の内容につきましては、こちらの記事にて詳細を公開しております。

腸内フローラ移植後4か月経過して改善を認めたアトピー性皮膚炎の症例

ルークス芦屋クリニック
ルークス芦屋クリニック 城谷昌彦先生

ルークス芦屋クリニック 城谷昌彦先生は、消化器のみならず心理的な側面からも診療を行われています。

そんな中、アトピー性皮膚炎において貴重な症例を経験したとのことで、その体験をお話くださいました。

腸内フローラ移植は他の対症療法とどう違っているか? 皮膚の症状と腸の状態はいかにリンクしているのか?
とても示唆に富んだ内容でした。

本発表の内容につきましては、こちらの記事にて詳細を公開しております。

自閉症の治療経験

喜多村クリニック
医療法人喜和会 喜多村クリニック 喜多村邦弘先生

最後は、医療法人喜和会 喜多村クリニック 喜多村邦弘先生より自閉症のお子さんの症例発表がありました。

消化器内科、外科、がん治療を専門とされる先生にとって、自閉症の女の子の便の状態、続いて行動が改善していく様子は大変心に残ったそうです。

女の子のお母様の言葉を借りて、ひとつひとつの言葉を丁寧に話される先生の様子が、聴く私たちに診療室の空気を思い浮かべさせてくれました。

本発表の内容につきましては、非公開とさせていただきます。

ランチョンセミナー「腸内細菌と現代の医食同源学」

井上正康
大阪市立大学 名誉教授 井上正康先生

美味しいお弁当の時間には、大阪市立大学 名誉教授 井上正康先生によるランチョンセミナーを開催しました。

カンブリア紀からの進化の歴史、腸内フローラと栄養などの観点から、わかりやすくご講義いただきました。

午後の部 前半 基調講演

國澤純
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
ワクチン・アジュバント研究センター
センター長 國澤 純 先生

午後の部では、世界的に活躍する腸内細菌叢の研究のスペシャリスト 國澤 純先生をお招きし、基調講演を行いました。

まずはじめに、腸と免疫力がいかに密接に関わっているかを非常にわかりやすくご解説いただきました。

國澤純

そして、腸内フローラの地域差や油の摂取による血液データの変化など、ご自身の最新研究内容を私たちにお見せくださいました。

一番驚き、印象に残った内容は、健常人の腸内フローラをAIによって統計学的に分析する研究内容でした。

先生の研究が私たちの健康に役立つ日も近いかもしれません。

午後の部 後半 パネルディスカッション

パネルディスカッション

基調講演を踏まえ、國澤純先生と当研究会会員の先生方を交え、パネルディスカッションを行いました。

テーマを「腸内細菌が喜ぶ食べ方」とし、研究者、臨床医、管理栄養士それぞれの立場からの意見交換、さらには参加者からの質問も多数飛び交い、関心の高いテーマであることを改めて認識しました。

本発表の内容につきましては、こちらの記事にて詳細を公開しております。

大変多くの方にお越しいただき、おかげさまで盛会となりました!
お越しいただいた皆様、本当にありがとうございます。
また来年も是非足をお運びください。

2020年の第4回総会開催予定

2020年9月21日(月・祝)
10:00〜17:00
17:00〜19:30 懇親会

(おまけ)ギャラリー

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