アトピー性皮膚炎・脱毛 30代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介
症例紹介 30代女性 アトピー性皮膚炎・脱毛(経過観察中)
要約
10歳の時からアトピー性皮膚炎で漢方薬や鍼灸、ステロイドで治療していたがよくなることはなく、思春期や20歳の時には悪化していた。
12年前の長女出産を機に毛髪の脱毛が始まり、ほとんど毛髪は生えていない状態。1年前に他のクリニックで2回フローラ移植を受けるが対応や変化を感じないので、当研究会での移植を兄の勧めで受けることにした。
初診時情報
病名: | アトピー性皮膚炎・脱毛 |
発症時期: | 10歳ごろ |
移植目的: | アレルギー(アトピー性皮膚炎) その他(脱毛) |
主訴: | 首から上の湿疹、顔の赤み、脱毛 |
服薬中の薬: | 皮膚科でステロイド軟こう、ひどい時は内服、多分ステロイド処方されている ステロイドは2日に1回塗っている |
既往歴: | 平成28年に胃炎 |
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など: | なし |
移植情報
移植期間: | 2019年5月26日〜2019年10月15日 |
移植回数: | 13回 |
移植初回〜移植終了までの変化: |
初回移植後から顔の赤もが少し改善されてきた。その後、皮膚の状態は少し皆瀬された感じがして頭部にも少し産毛が生えてきている。 【1回目移植時問診】 |
移植終了後の変化: |
以前よりは皮疹の状態は改善されているので、もう少し追加移植を続けていきたいと思っているとのこと。 |
評価・考察
移植評価: | 症状の軽度改善 |
移植前後フローラバランス検査の変化: | クロストリジウムの多様性が出てきている。 クリストリジウム9が多く、慢性的な症状に精神的な不安定感はある。 ビフィズス菌の割合が増えてきている。 |
血液検査の変化: |
実施していない |
POMS2スコア変化: | 実施してない |
<腸内フローラバランス 移植前後比較データ>
本人の体感(アンケートより): |
何をしてもよくならなかったのが、少し改善の見込みが見えてきたので、将来的には期待しているとのこと。 |
有害事象の有無: |
なし |
移植総評・考察: |
全体的には皮膚の状態は良くなってきている。ただ、暑さや汗での皮膚の悪化がみられ、まだ皮膚の状態は完全には安定していない。しかし、精神的にはよくなる希望が見えたようで安定してきていると思われる。また、毛髪は産毛から生える気配はないので今後の課題として残っている。 |
以上
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