腸内フローラ移植・症例紹介

自閉スペクトラム症、その他の疾患 40代女性 -糞便微生物叢移植症例紹介

症例紹介 40代女性 自閉スペクトラム症、その他の疾患

要約

HSP、ADHD傾向。子供の頃から過敏で恐怖心あり。大人になってから気分の落ち込みがあり、生きづらさを感じていた。
1回目の移植後から不安感などが消えた。

基本情報

患者様: 40代女性
主治医: ナチュラルアートクリニック
移植担当医療機関: ナチュラルアートクリニック

初診時情報

病名: 自閉スペクトラム症、その他の疾患
発症時: 物心ついた頃から。診断は2016年。
移植目的: イライラ、癇癪、疲れやすい、下痢、ガス等の症状改善
肌トラブル(アトピー含む)、体質改善
主訴:
診断されたのは、大人になってからであるが、幼い頃からずっと社会不安障害の要素は持っていた。分からない全てのことに恐怖や不安を感じ、人前に出ると極度に緊張する。
HSP(HSS)の気があり、日常の様々な刺激や情報が、不快に感じることが多く、生きづらさをかかえていた。
服薬中の薬:  
既往歴:  
経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など:  

移植情報

移植期間: 2021年7月16日〜2021年8月17日
移植回数: 6回
移植初回〜移植終了までの変化:

【1回目移植時問診】
体調は変わりない。お腹の調子は悪くないがいつも便はゆるい。
食事指導も行った。
(①水は2ℓぐらいは摂る ②水溶性食物繊維、根菜類はしっかり摂る ③グリテンフリー ④カゼインフリー)

【2回目移植時問診】
移植後、不安感、そわそわ感軽減した。
以前は仕事しようとすると不安物質が出ていたが、なくなり取り掛かりやすくなった。
睡眠の質へ変化なし。
メンタルにポジティブな変化あったので、引き続き変化をみる。

【3回目移植時問診】
下痢ぎみだったのが良くなった。
メンタル面も落ち着いている。
にんじん、玉ねぎ、かぼちゃ、サツマイモなど根菜類を意識して摂取している。
前回、移植後2時間程、腹部膨満感あり。
ポジティブな変化が多く、引き続き経過をみる。

【4回目移植時問診】
体調は良い感じ。メンタル安定。
以前は1日に3~4回軟便が出ていたが、1日に1~2回へ減り、基本普通便になる。

【5回目移植時問診】
1回目の時が一番体感があった。その後はいい調子が続いている感じ。
精神、排便状況安定。
朝プロテイン摂取2時間後あたりに胃酸がすごく出る感じある。空腹感なし。
セロトニンを出すためにも朝食にバナナ追加の予定。

【6回目移植時問診】
調子はいい。
メンタル、排便状況、共に良い。睡眠状況もまずまず。
食事は、移植当初と比べると大きく変化あり。
(根菜類を増やし、小麦の摂取をしなくなった。白米に玄米2/3入れるようにした。オートミールは時々摂取)

【2か月後検査説明時問診】
調子はいい。
目標の菌のバランスに、ほぼほぼ達している状態で、かなり結果が出ていると感じる。
食事にも気を配り、経過を観察していく。

腸内フローラバランス 比較データ

血液検査の変化: 実施せず
POMS2スコアの変化: 実施せず
本人の体感(アンケートより):
 

評価・考察

移植評価: 症状の明らかな改善
有害事象の有無: なし
移植終了後の変化:
初回移植後より、不安感消失。便の性状も改善。
1回目の移植後が一番効果を感じたが、その後はいい状態を維持。
焦り、イライラもなくなった。
食事も移植前と大きく変わった。
移植総評・考察:
上記の通り、初回移植後より効果を実感。
不安が減り、その後焦りやイライラもなくなった。便の正常も正常化。

以上


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